脊椎動物の頭部形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 04:45 UTC 版)
脊椎動物の中枢神経系は表皮外胚葉の一部が背側正中部で肥厚して神経板となり、それが陥入して生じる神経管から形成される。咽頭胚期において、既に明瞭な頭部があり、頭部背側で神経管が脳原基として分化を始める。神経管の前端に脳胞が複数膨出し、局所的なシグナルセンターにより、終脳、間脳、中脳、小脳、菱脳が分化していく。胚の頭部前端には頭索動物と異なり脊索の及ばない部分がある。その部分に索前板があり、前脳や中脳などの頭部前方の構造が誘導される。間脳や後脳には前後軸に沿ってプロソメア(前脳節、前脳分節)やロンボメア(菱脳節、菱脳分節)と呼ばれる分節構造(神経分節)を生じ、そこから特定の神経核や神経路が発生する。 頭部が成立する要因として、脊索を伴わない頭部前端を取り囲むための頭部神経堤細胞および脳神経節や感覚器を形成する外胚葉性プラコードの獲得が挙げられる。脊椎動物の頭部には、頭蓋、脳、感覚器、摂食器官、咽頭・鰓弓系、咽頭派生物、甲状腺(内柱)が存在し、頭部に発する多くの細胞の分化には頭部神経堤が関わるものが多い。 脊椎動物の体制は、脊索動物に共通してもつ発生拘束も含む咽頭胚期の分節パターンを基調としているが、体節に由来する体幹の分節パターンとは異なり、頭部は咽頭弓(鰓弓)の分節パターンに由来する。
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