脊椎動物の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:07 UTC 版)
「リチャード・オーウェン」の記事における「脊椎動物の研究」の解説
オーウェンは動物学協会の「動物園」で死んだ動物の解剖・研究をするという特権に恵まれていたこともあり、彼の脊椎動物に対する専門的記述は、無脊椎動物よりもさらに大量で広範囲だった。彼の3巻からなる "Comparative Anatomy and Physiology of Vertebrates" (1866–1868)は実際、個人による研究として同様の研究で比肩しうる物はジョルジュ・キュヴィエの"Leçons d'anatomie comparée" の他に無かった。 彼は現生の形態を研究したのみでなく、絶滅したグループの遺骸にも大きな注意を払い、古脊椎動物学の創始者キュヴィエの直接の後継者となっていた。経歴の初期において彼は現生種・絶滅種双方を含めた歯の研究を徹底的に行っており、図をふんだんに使用した"Odontography" (1840–1845)を出版している。彼は自ら発見し迷歯類と名付けた絶滅両生類の歯の恐ろしく複雑な構造も記載している。この動物の歯は、表面のエナメル質が非常に複雑に折り畳まれたようになっており、断面をみるとまるで迷路のように見える歯であることからその名が付けられた。魚類に関しての著書では、プロトプテルス (Protopterus) と命名したアフリカ産肺魚についての学術論文が、ヨハネス・ミュラーによる肺魚亜綱の制定の基礎となっている。彼はまた、真骨魚類と硬鱗魚類(軟質魚類)の間の一連の関係に気づき、一つの下綱である条鰭類(条鰭下綱)にまとめた。
※この「脊椎動物の研究」の解説は、「リチャード・オーウェン」の解説の一部です。
「脊椎動物の研究」を含む「リチャード・オーウェン」の記事については、「リチャード・オーウェン」の概要を参照ください。
- 脊椎動物の研究のページへのリンク