脊椎動物の爪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 16:17 UTC 版)
扁爪より少し厚く、指趾骨の前半部を覆っている。爪の表面を覆う爪板は前後左右に弓なりに曲がっている。蹄や扁爪より幅が著しく狭く、先端は鋭く尖っているものがあるが、少し丸みがあるものもある。鉤爪の基部の下方部は皮膚の膨らみがある。これは肉球の一種で指球と呼ばれるものである。歩くときにここが地面に付く様に歩行する。 一般に地面に引っかけて歩行の助けとする。イヌ科やチーターの場合、常に露出しており、走るときにはスパイクのような役割をすると考えられる。樹上性のものは樹皮などに引っかけることで体を支える。ネコ科には木登りをする種もあるが、頭を下にして降りる時に鉤爪が引っかからない指の向きであり、降りるのは得意でない。 時には天敵などに傷を負わせるなどの役割を持つ。捕食性のものでは、獲物を捕えるための装置として用いる。特にネコ科の動物は捕獲によく用いるが、チーター以外は普段は鉤爪が指先に引っ込むようになっている。これは歩行中に地面に触れることで先端の鋭さが鈍らないための適応だと考えられる。また、爪とぎをして手入れする。「研ぐ」のではなく「さや」を剥がし鋭さを保つ。イヌ科の動物の場合、前足の親指だけはやや上に位置しているので先端は鋭く、獲物を抱え込むときによく使う。 小型の肉食恐竜にも、後肢の特定の爪だけが鉤爪のようによく発達したものがあり、やはり捕獲用に用いられたと思われる。これらは歩行時にはこの指を立て、先端が地面に触れないようにしていたのではないかと考えられている。
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