無脊椎動物の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:07 UTC 版)
「リチャード・オーウェン」の記事における「無脊椎動物の研究」の解説
ハンテリアン・コレクションの目録制作に追われながらも、オーウェンは目の前の準備作業のみに専念していたわけではなく、機会があれば常に死んだばかりの標本の解剖をも行っていた。そして1831年に協会が科学会報の発行を始めたときには、解剖学論文の最多投稿者になっていた。大量なだけではなく、彼の最初の注目すべき出版物である "Memoir on the Pearly Nautilus" (1832) は、オウムガイにおける古典的研究ともなっている。それ以降50年以上の永きに渡って、彼は比較解剖学と動物学におけるありとあらゆる分野について重要な寄稿を為し続けた。オーウェンは現在カイロウドウケツ (Venus's flower basket, Euplectella) としてよく知られている海綿動物について最初に記載した(1841,1857)人物でもある。寄生生物に関して最も注目すべき物は、ヒトの筋肉内に寄生し旋毛虫症を引き起こす旋毛虫Trichina spiralisの命名(1835)である(ジェイムズ・パジェット(英語版)の発見に基づいている)。腕足類では、その後も長く適用される分類体系の設定と知見の拡大を盛り込んだ素晴らしい研究を行っている。軟体動物においては、オウムガイだけでなく、トグロコウイカ (Spirula) の記載(1850)を初めとした多くの頭足類(現生種・絶滅種ともに)も記載し、この綱で広く受け入れられている二鰓類(二鰓亜綱)と四鰓類(四鰓亜綱)の区分けを提唱した(1832)のも彼である。また、非常に興味深い節足動物であるカブトガニも彼の1873年の学術論文の題材となっている。
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