むはいにゅう‐しゅし【無×胚乳種子】
無胚乳種子
無胚乳種子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/07 09:03 UTC 版)
被子植物には種子の発生途中に胚乳の発育が停止し、退化消失してしまうものが数多く知られている。その中のいくつかは前述の周乳を発達させるが、多くの場合胚乳そのものを持たない種子となる。 たいていの無胚乳種子は胚乳の代わりに胚そのものの一部である子葉に発芽時に必要な養分を蓄えている。つまり、胚自体が自力で発芽する様式である。マメ科やブナ科、キク科の植物がそうした植物の代表で、食用となるマメ科の豆類、ブナ科のクリ、キク科のヒマワリの種子は養分を蓄えて肥大した子葉を食べているのである。 ラン科の微小な種子はやはり胚乳が退化消失しているが、薄い種皮の中には少数の細胞が集合しただけの単純な胚があるだけで、養分を貯蔵する組織を全く持たない。この種子が特定の共生菌類(たいていは担子菌)の生息する地面や樹皮上に落下すると、この菌の菌糸が胚組織に進入し、発芽に必要な養分を供給する。
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