職務質問に関する不当事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 16:52 UTC 版)
「職務質問」の記事における「職務質問に関する不当事例」の解説
鳥取県米子警察署の署員が、2008年(平成20年)10月28日、ポルフィリン症による皮膚の光過敏症防止の為、上半身を覆う黒い頭巾を着用していた鳥取県境港市の高校3年生の男子生徒に対し、「その変な格好したやつ、止まれ。おまえはタリバンか」などと暴言を伴う職務質問を行い、頭巾を取ることを強制したことが、2009年(平成21年)3月6日の鳥取県議会において発覚した。鳥取県警察本部長は「不適切だった」と謝罪し、病気への理解を深めるためのDVDを全署に配布すると答弁した。 2012年(平成24年)5月27日、神奈川県川崎臨港警察署の捜査員が、令状無くカトリック貝塚教会の敷地内に無断で入り、不法滞在の疑いがあるフィリピン国籍の信徒に対して職務質問を行った。同教会の司祭が、令状のない敷地への立ち入りは違法として、敷地外に立ち去るよう求めたにも関わらず、捜査員はミサの最中の教会内への立ち入りを強行した。このような令状のない敷地立ち入りを伴う職務質問に任意性が無く、適正手続の保障を伴わない捜査は、信教の自由を侵害するものだとし、カトリック中央協議会が川崎臨港警察署に申し入れを行い、国家公安委員会委員長と警察庁長官あてに要請書を手渡した。その結果、川崎臨港警察署は、令状のない立ち入りによる職務質問が不適切であったこと、今後の警察活動において、信教の自由を含む基本的人権を尊重するとのお詫びを行い、警察庁の白川警視長は「警察庁としましては、今後とも、信教の自由を始めとした憲法で保障された基本的人権を尊重した警察活動を徹底してまいりたいと考えております」とのお詫びを表明し、『基本的人権に留意した適切な警察活動の推進について』との通達を全国の警察に発出した。 2013年(平成25年)2月21日、職務質問を利用して女子高生を盗撮した大阪府河内長野警察署地域課巡査が公務員職権乱用罪と迷惑防止条例違反で逮捕され、その後、懲戒免職になった。巡査はパトロール中、女子高生に「持ち物見せて。たばことか持っている子がいるから」 などと職務質問と所持品検査を行い、女子高生にかばんを開けさせている隙に、携帯電話のカメラで太ももを盗撮していた。巡査の携帯電話からは盗撮画像が約460枚見つかり、約350枚は勤務中のものであったことから、職務質問を利用し、職権を濫用し盗撮を繰り返していたことが発覚した。 2013年(平成25年)6月10日、職務質問を受けたことにより、世間体が悪くなることを見越した兵庫県相生警察署地域課巡査部長が、それ(職務質問を受けたこと)をネタに職務質問した女性に対して、職務質問で知った女性の住所氏名を利用して、後日金銭を要求する恐喝事件も発生している。
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