職務質問の法的根拠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 16:52 UTC 版)
警察官による職務質問の法的根拠は、警察官職務執行法(警職法)2条1項である。同条には警察官による質問、同行、凶器所持検査の権限が明記されている。以下警職法第2条を列挙する。 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。 その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。 前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。 警察官は、刑事訴訟に関する法律により逮捕されている者については、その身体について凶器を所持しているかどうかを調べることができる。 同法第2条第2項が定めているのが任意同行である。上記のように、同項が定める任意同行とは、その場の職務質問が、質問される本人に不利である、または交通の妨げになる場合に、付近の警察署に同行を求めることができる、というものである。任意同行は、職務質問の1つのバリエーションである。 なお、警察法2条1項は組織規範であって、通常、職務質問のような具体的職務権限を基礎づける根拠とは解されていない。警察法2条1項所定の目的を逸脱して行われた職務質問は違法といい得るが、あくまで根拠規範は警職法2条1項である。ただし、警職法2条3項は刑事訴訟法や刑事訴訟規則の規定や令状に依らない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはないと定めている。
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