聖ブリギッドとは? わかりやすく解説

キルデアのブリギッド

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 08:09 UTC 版)

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キルデアの聖ブリギッド
キルデアの聖ブリギッド(ステンドグラス
生誕 451年
アイルランドラウス県ダンドーク近郊
死没 525年
アイルランドキルデア
崇敬する教派 カトリック教会
聖公会
正教会
記念日 2月1日
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キルデアのブリギッドBrigid of Kildare、Brigit、Bridget、Bridgit、Brid、Brideとも。451年頃 - 525年頃)は、アイルランドキリスト教修道女ブリジッドとも。聖パトリック聖コルンバとともにアイルランドの守護聖人カトリック教会聖公会正教会で聖人。祝日は2月1日(アイルランドでは伝統として、春の最初の日とされる)。乳児、鍛冶屋、養鶏業者、私生児の守護聖人。

概要

言い伝えによると、ブリギッドはラウス県ダンドーク近郊で生まれた。父親は異教徒の地元首長で、母はキリスト教の洗礼を聖パトリックから受けたピクト人であった(別の説では、ブリギッドの母は海賊にさらわれてアイルランドで奴隷となったポルトガル人であるという)。ブリギッドという名前は、ケルト神話に登場する女神を意味した。468年頃にキリスト教徒となったという。彼女は敬虔で心根は優しく、慈悲を求めて父の家にやってくる貧者へ常に施しを与えた。この慈善が父親を怒らせた。彼は、娘が過剰なまでに施しをすると考えていた。ブリギッドは、牛乳、小麦粉、雑貨の他に、とうとう父の宝石をちりばめた剣をハンセン病患者へ与えてしまったのである。父親は、ブリギッドは尼僧として生きるのが適していると考えた。彼女は修道院へ入るとすぐに、アイルランド各地に修道院を建てていったという。

525年頃、ブリギッドはキルデアで亡くなった。自身が建てたキルデア修道院内に埋葬されたが、後年になってダウンパトリック (Downpatrickにあるダウン聖堂へ移された(そこには聖パトリックと聖コルンバの墓もある)。また、3人のアイルランド貴族がブリギッドの頭蓋骨をリスボンにあるサン・ジョアン・バプティスタ教会へ持ち込んだ(現在も保存されている)。ブリギッドの献身はアイルランド中に広まり、ゲールのマリアとして知られた。彼女が亡くなって数世紀後、フォイランのようなアイルランド人宣教師らがブリギッド信仰をヨーロッパへもたらした。ベルギーのフォッス=ラ=ヴィル(Fosse-la-Villeナミュール州の村)には、サント・ブリジド礼拝堂(7世紀から10世紀)がある。

ヨーロッパ大陸におけるアイルランド 修道士およびスコットランド修道士の宣教活動に伴い、ドイツにおいても、特に西部と南部において早くから急速にこの聖人(ドイツ語では、≫Brigitte, Brigitt, Brigitta≪「ブリギッテ、ブリギット、ブリギッタ」)の崇敬が広まった[1]。崇敬はスカンディナヴィアフランスイタリアポルトガル、さらにカナリア諸島にまで広がっていった[2] 。ドイツ西部の農村では20世紀にいたるまで家畜の守護聖人として敬われていた [3]

脚注

  1. ^ Rosa und Volker Kohlheim: de:Duden. Lexikon der Vornamen. 4., völlig neu bearbeitete Auflage. Mannheim/Leipzig/Wien/Zürich: Dudenverlag 2004 (ISBN 3-411-04944-8), S. 66.
  2. ^ Lexikon des Mittelalters. Bd. II. München/Zürich: Artemis 1983 (ISBN 3-7608-8902-6), Sp. 689.
  3. ^ Erhard Gorys : Lexikon der Heiligen. München: Deutscher Taschenbuch Verlag, 6. Aufl. 2005 (ISBN 3-423-34149-1), S. 298. - Hiltgart L. Keller: Reclams Lexikon der Heiligen und der biblischen Gestalten. Stuttgart: Reclam 1968, S. 81.



聖ブリギッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/30 23:07 UTC 版)

インボルク」の記事における「聖ブリギッド」の解説

ある伝説によると、キリスト教アイルランドに入る以前から、今に至るまで、インボルクには、ブリギッドベッド作り続けられている。家庭町村の、若くて未婚少女女性が、ブリギッドを表す人形(ブリデオグBrideog、小さなブリギッドもしくは若いブリギッドの意味)をトウモロコシ作りリボンや、ぴかぴかした石や貝で飾る。その人形を、聖ブリギッドの日の前夜1月31日)にそのベッド寝かせる。ベッド暖炉のそばに置かれ牛乳バターバノック供えられるインボルク前夜ブリギッド地上を歩くと言う。寝る前に家族それぞれ服を一点か、細長い布切れを外にささげて置く。家長は、暖炉の火をかき消し、灰を平らにならしておく。朝になって、灰の表面に何かの跡が付いていたら、ブリジッドが夜の間、または朝にそこを通ったしるしといわれる。服や布切れ家の中にしまわれる癒しまたは保護の力が与えられていると信じられるインボルク当日少女たちは「ブリデオグ」を持って、町や隣近所を家から家へとめぐり歩く。この聖人女神合体した人形は、大きな敬意を以て迎えられる大人女性結婚していて家庭持っている女性)は家にいて、ブリデオグがやってくるのを迎え、そして恐らくは硬貨お菓子与える。ブリギッドが、一年半分占める、光の季節存在を表すもので、その力が、冬の暗い時期から春へ人々を導くものであるため、この時期の彼女の存在は非常に大事である。ブリデオグはその後1年間暖炉のそばに置いたり、壁につるしたりして保存される

※この「聖ブリギッド」の解説は、「インボルク」の解説の一部です。
「聖ブリギッド」を含む「インボルク」の記事については、「インボルク」の概要を参照ください。

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