縮小変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 09:35 UTC 版)
共有である不動産などの全部に抵当権が設定されている場合において、効力の及ぶ範囲を一部の共有者の持分上に縮小することができる。この登記は実質は一部抹消であるが、一部抹消登記というものは存在しないので、変更登記で行う。登記申請情報の記載の例は以下のとおりである。 登記の目的(不動産登記令3条5号)は、「登記の目的 1番抵当権をA持分の抵当権とする変更」のように記載する(記録例409)。 登記原因及びその日付(不動産登記令3条6号)は、「原因 平成何年何月何日B持分の放棄」のように記載する(記録例409)。 登記申請人(不動産登記令3条1号)は、抵当権の効力が及ばなくなる共有者を登記権利者、範囲が縮小される抵当権者を登記義務者として記載する。引き続き抵当権の効力が及ぶ者は登記申請人とはならない。なお、法人が申請人となる場合の代表者の氏名等の記載に関する論点は登記事項の変更の場合と同じである。 添付情報(不動産登記規則34条1項6号、一部)は、登記原因証明情報(不動産登記法61条・不動産登記令7条1項5号ロ)、登記義務者の登記識別情報(不動産登記法22条本文)又は登記済証である。法人が申請人となる場合は更に代表者資格証明情報(不動産登記令7条1項1号)も原則として添付しなければならない。 なお、書面申請の場合であっても、登記義務者の印鑑証明書の添付は原則不要である(不動産登記令16条2項・不動産登記規則48条1項5号、同令18条2項・同規則49条2項4号及び48条1項5号)が、登記義務者が登記識別情報を提供できない場合には添付しなければならない(不動産登記規則47条3号ハ参照)。 この登記は実質は抹消登記であるので、利害関係人が存在するときはその承諾が必要であり(不動産登記法68条)、承諾証明情報が添付情報となる(不動産登記令別表26項添付情報ロ)。この承諾証明情報が書面(承諾書)である場合には、原則として作成者が記名押印し、当該押印に係る印鑑証明書を承諾書の一部として添付しなければならない(不動産登記令19条)。この印鑑証明書は当該承諾書の一部であるので、添付情報欄に「印鑑証明書」と格別に記載する必要はなく、作成後3か月以内のものでなければならないという制限はない。 登録免許税(不動産登記規則189条1項前段)は、不動産1個につき1,000円を納付するが、同一の申請情報で20を超える不動産について縮小変更の登記を申請する場合は2万円である(登録免許税法別表第1-1(15)) この登記の登記記録の例は以下のとおりである。
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