経緯と被害推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 02:56 UTC 版)
「シドアルジョの泥火山」の記事における「経緯と被害推移」の解説
2006年5月29日、シドアルジョ県ポロン郡レノクノゴ村にあったラピンド社のブランタス鉱区バンジャル・パンジ天然ガス田付近で水蒸気噴出が発生した。3日後の6月1日には突然50度の泥が水蒸気と共に噴出した。泥の噴出量は当初の1日5000立方メートルから2カ月後には1億2600万立方メートルまで増加し、同年10月時点で被害面積は415ヘクタール(4.15平方キロメートル)に及び4つの集落が壊滅、家屋1640件などが被災し住民約9100人が家を失い避難した。また被害地域には中小工場の密集する地区もあり、工場20件も被害にあった。同年11月には地下のパイプラインが泥の圧力で爆発する事故が発生した。噴出現場を通過する高速道路の付近で国有石油会社プルタミナのパイプラインが爆発、土木作業員や高速道路の職員など13人が死亡した。また、十数人が重軽傷を負った。 JOGMECジャカルタ事務局長のレビューによれば2007年に被害地域は3郡の12村、640ヘクタール(6.4平方キロメートル)に拡大、2008年には728ヘクタール(7.28平方キロメートル)に達した。東北大学の呉修一らの論文では2011年時点で6.5平方キロメートルが泥水に浸かり、3万人以上に影響が発生したとしている。また、少なくとも1万人が移住せざるをえず、BBCでは7平方キロメートルが埋まり家のない家族が1万3千残されていると報道された。JOGMECのレビューでは2012年8月時点で被害地域に家屋や土地を保有していた住民が1万1881世帯あるとしており、またインドネシアの国家人権委員会(英語版) (KOMNAS HAM) の発表によればポロン郡の住宅10426戸が全壊し避難生活をしている被災者が4-6万人いるという。2013年の『じゃかるた新聞』では3町11村の約800ヘクタールに泥が流出し、直接被害にあったのが2381世帯約9千人、避難者約4万人と報じられた。2014年には9月と11月に堤防が決壊して塞き止めていた泥土が流出、9月の決壊では住宅20戸が被害にあった。2015年時点でAFPの報道によれば約4万人が避難していた。2016年のインドネシアの日本語新聞『じゃかるた新聞』では、ポロン郡、タングランギン郡、ジャボン郡の3郡計800ヘクタール(8平方キロメートル)が泥に埋もれ、15村の7万5千人以上が土地を追われたと報道された。2017年の『ナショナルジオグラフィック』によれば泥土は16平方キロメートル近くに拡大し、避難者数は6万人に達した。
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