精神医学者としてのユングと精神医学とは? わかりやすく解説

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精神医学者としてのユングと精神医学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 04:38 UTC 版)

分析心理学」の記事における「精神医学者としてのユングと精神医学」の解説

カール・グスタフ・ユングは、フロイト18561939)をはじめとする精神分析学心理療法家たちとは異なり当時いまだ発展途上にあった精神医学研究者であった精神医学課題は、人間精神つまり心(魂)に起こる、変調あるいは病を研究し身体医学において成功したように、病よりの治療法確立することが大きな目標としてあった。 しかし、精神の病とは一体何なのか。古代ギリシアにおいてはてんかんは神のもたらす神聖な病だと考えられていたが、近代ヨーロッパそのような見方否定したとはいえ、それでは「てんかん」とは何で、どのような原因で起こるのか、理解していた訳ではない広義に「狂気」とは何なのかが、定かでなかったと言える現象的あるいは症状的に精神の障害記述し分類試みたのはクルト・シュナイダー(1887-1967)であり、シュナイダー方法は、今日でもアメリカ精神医学会APA)が定めDSM において症状記述として継承されている。 シュナイダーより半世紀前に精神の障害・異常あるいは病の系統分類画期もたらしたのは、ドイツ精神医学者であるエミール・クレペリン1856-1926)であり、彼は19世紀末、「早発性痴呆dementia praecox1893年)」の名で精神分裂病統合失調症)を定義し躁鬱病神経症とは根本的に何かが異なることを明らかにした。 スイスオイゲン・ブロイラー(1857-1939)は、クレペリン疾病概念をほぼ継承しつつ、精神有機的な要素連合として機能しており、この連合が何かの理由乖離分裂するとき、早発性痴呆症状生じるとし、早発性痴呆は必ずしも、「早発性」ではないことも考慮した上で、これを「精神分裂病群 (Schizophrenien)」と名づけた(1911年)。 ブロイラー分裂病が、単一精神疾患ではなく機制異な複数疾患総称症候群)である可能性主張しており、複数形表現した。後に、単数形Schizophrenie と書かれるようになる現代知見においても、統合失調症精神分裂病)は単一精神疾患ではなく複数疾患か、更にそれらが輻輳したものであるとの考えが有力である。

※この「精神医学者としてのユングと精神医学」の解説は、「分析心理学」の解説の一部です。
「精神医学者としてのユングと精神医学」を含む「分析心理学」の記事については、「分析心理学」の概要を参照ください。

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