節約食として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 15:30 UTC 版)
醤油さえあれば飯が食べられるといったことから、食費を浮かせるための食べ方とされるケースも多い。 昭和初期には、山形県金山町の一部で食事の際に惣菜が何もないとき、醤油だけを飯にかける「醤油めし」と呼ばれる風習があった。昭和恐慌の時期の大衆食堂でもソーライス(ウスターソースをかけただけの飯)と同様、飯に醤油だけをかけて食べる光景が見られた。戦前の少年小説では、貧乏な家で病気の母を持つ主人公の少年が、学校へ持参する弁当のおかずを弟や妹の分に回し、自分の弁当は飯に醤油をかけただけで、級友に見られないよう隠しながら食べる場面が定番だった。終戦直後も一部の地域では貧乏な人々の間で、醤油やソースをかけただけの飯による食事が流行していた。 平成以降においても、マイナビが2011年(平成23年)に社会人たちに対して行った「学生時代の思い出の味」の調査、2015年(平成27年)の「お金がない時に作る節約料理」「金欠女子が節約のためにこっそりしているズボラ飯4選」での調査でも、節約のために食べるものとして、卵かけご飯や納豆かけご飯などと共に名前が挙げられている。令和期においては2021年以降、新型コロナウイルス感染症の影響で困窮家庭が増加し、副食がなく「醤油かけご飯で凌いでいる」との声も聞かれている。 著名人では、明治・大正期の文豪である森鷗外が、妻子と別居して男だけの所帯を構えていた時期に、飯に醤油だけをかけることを発案し、食事を簡素に済ませるために食べていたという。昭和時代では元歌手の山口百恵が、子供の頃は家が貧乏で、飯に醤油をかけて食べていたという。タレントの島田洋七は、「佐賀のがばいばあちゃん」として知られる祖母の徳永サノのもとで子供時代を暮らしていた貧乏時代に、「卵抜きの卵かけご飯」と称して、醤油かけご飯を食べていた。平成以降では元AKB48のメンバーである女優・秋元才加も、2012年(平成24年)頃までは家が貧乏で、食事が飯と醤油だけのときがあったことを告白している。
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