管理形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 23:45 UTC 版)
国土交通省直轄ダム#沖縄総合事務局の項も参照のこと。 福地ダムは冒頭に述べた通り内閣府沖縄総合事務局開発建設部が管理を行っている。しかし法的には特定多目的ダム法に基づき建設されており、実質的なダム管理は同法に拠り国土交通大臣が行っている。 沖縄県は沖縄返還以後インフラストラクチャーの整備が推進されたが、本土に比べ遅れをとっていることは否めなかった。そこで政府は沖縄開発庁を設置し沖縄振興特別措置法を制定し、河川・かんがい・道路整備など国土基盤整備をより強力に推進する方策を立てた。河川整備については沖縄県内には河川法に基づく一級河川が存在せず、法律上は河川整備は沖縄県が国庫の補助を受けて実施する規定であったが、沖縄県の財政事情もあって全ての河川を整備するのは困難であった。県は旧琉球政府が計画・施工していた治水目的を有するダムなど大規模な河川総合開発事業について、特措法第10条を援用して国直轄事業として施工するべく要請を行った。河川行政を管掌する建設省(現在の国土交通省)はこれを受け、特例として沖縄県については旧琉球政府が施工していた福地ダムなど三ダムについて、二級河川ではあるが国直轄の河川開発として担当することになった。以後福地ダムは建設大臣が建設から管理までを一貫して行う特定多目的ダムとしての指定を受け施工が進められた。 以上の経緯から、福地ダムは管理主体こそ沖縄総合事務局となっているが法律上は沖縄振興特別措置法第10条を元に、河川法の特例として二級河川である福地川に特定多目的ダム法に基づき建設され国土交通省の管理する国土交通省直轄ダムとして現在に至る。複雑な形態であるがこれは沖縄県全体の開発を統括するのは沖縄開発庁であるものの、治水を主とする河川行政に限っては建設省・国土交通省の専管事項となっているためである。だが沖縄県については先に述べた事情もあって様々な施策を一体になって進める必要性があることから、沖縄総合事務局開発建設部が国土交通省の地方整備局の役割を担っている。このことから国直轄で管理・施工する沖縄県のダムについては特定多目的ダム法が適用され、河川行政を管掌する国土交通大臣が施工・管理者となるが、実際の管理は沖縄総合事務局が代行業務を行っている。同様の事例は北海道における北海道開発庁・北海道開発局でも同じ扱いであり、開発建設部の管理するダムは国土交通省直轄ダムとしての取り扱いを受ける。
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