第59回都市対抗野球大会

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第59回都市対抗野球大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/09/12 06:09 UTC 版)

第59回都市対抗野球大会（だい59かいとしたいこうやきゅうたいかい）は、1988年7月28日から8月7日まで東京ドームで開かれた都市対抗野球大会である。

概要

• この年から会場が後楽園球場から東京ドームに移り、ドーム人気も手伝って、満員札止めとなる試合が続出。大会通算観客動員記録は第53回大会の35万7000人だったが、今大会は76万3000人と記録を倍増させた。
• 初出場は仙台市・日本たばこ、君津市・新日鐵君津、横浜市・三菱重工横浜の3チーム。このうち日本たばこ、三菱重工横浜は8強入りして台風の目となった。
• 天井知らずで伸び続けていたホームラン数だったが、空調のきいたドームで試合をするようになり、投手のスタミナ配分がうまくできるようになったか、あるいは「ホームランが出にくい」との評判に気圧されたか、大会通算ホームラン数は55本にとどまった。
• その中でドーム大会初代王者となったのは川崎市・東芝。前回（第54回大会）優勝後、準優勝に泣くこと2回、3度目のチャレンジで3度目の黒獅子旗を手にした。橋戸賞は打撃とともに卓越したリードで投手陣を引っ張った高見泰範捕手が獲得。捕手の橋戸賞は第10回大会の井野川利春捕手（北九州市・門司鉄道局）以来52年ぶり。また、堺市・新日鐵堺の野茂英雄投手がその独特なフォームで次々に三振を奪うほか、2回戦では延長17回を投げきる鮮烈なデビューを果たし、若獅子賞を獲得した。
• この年から文京ケーブルネットワーク（現・東京ケーブルネットワーク）を通して文京区のサービス提供地域で全試合生放送が行われた。（決勝は従来に同じくNHK総合テレビジョンと並列で生中継）

出場チーム

札幌市・北海道拓殖銀行（2年連続16回目） 白老町・大昭和製紙北海道（2年ぶり16回目） 仙台市・NTT東北（5年ぶり11回目） 仙台市・日本たばこ（初出場） 日立市・日立製作所（2年ぶり16回目） 太田市・富士重工業（4年連続12回目） 和光市・本田技研（2年連続13回目） 君津市・新日鐵君津（初出場） 東京都・プリンスホテル（6年連続7回目） 東京都・NTT東京（5年連続21回目） 東京都・熊谷組（3年連続30回目） 横浜市・三菱重工横浜（初出場） 川崎市・東芝（2年連続15回目） 横須賀市・日産自動車（3年ぶり12回目） 長野市・NTT信越（7年連続11回目） 浜松市・ヤマハ（推薦／8年連続16回目）

浜松市・河合楽器（2年ぶり18回目） 富士市・大昭和製紙（2年連続32回目） 名古屋市・NTT東海（2年連続13回目） 名古屋市・JR東海（2年ぶり19回目） 鈴鹿市・本田技研鈴鹿（2年ぶり9回目） 京都市・日本新薬（3年ぶり13回目） 大阪市・大阪ガス（3年連続3回目） 堺市・新日鐵堺（3年ぶり8回目） 門真市・松下電器（3年連続27回目） 神戸市・川崎製鉄神戸（3年ぶり4回目） 姫路市・新日鐵広畑（3年連続19回目） 広島市・NTT中国（3年ぶり9回目） 三原市・三菱重工三原（6年ぶり4回目） 松山市・NTT四国（4年連続10回目） 熊本市・ニコニコドー（2年連続2回目） 熊本市・NTT九州（2年ぶり14回目）

大会

1回戦

第1試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 JR東海 1 0 0 2 0 0 0 0 1 4 ヤマハ 3 3 0 0 3 0 1 0 X 10 勝：西村　敗：森下　本：加藤健、清水（JR東海） 第2試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 川崎製鉄神戸 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 NTT信越 0 0 0 0 0 0 0 3 X 3 勝：北沢　敗：宮内 第3試合－延長10回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 日本たばこ 0 0 0 0 1 0 0 0 2 1 4 NTT中国 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 3 勝：石崎　敗：石川　本：若松（中国）、若槻、曲山（以上たばこ） 第4試合－延長10回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 熊谷組 1 0 2 0 0 0 0 0 0 4 7 日産自動車 2 0 0 0 0 1 0 0 0 0 3 勝：谷津田　敗：石田 第5試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 NTT四国 2 0 0 0 0 0 4 0 0 6 新日鐵君津 0 1 0 0 0 1 0 0 3 5 勝：渡辺　敗：硲　本：三好（四国）、伊藤、長井（以上君津） 第6試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 本田技研 0 0 0 0 1 0 0 3 0 4 NTT東北 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 勝：中屋　敗：大倉　本：雨堤、金子（以上本田）、大竹（東北） 第7試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 東芝 0 0 0 0 1 0 3 0 1 5 日本新薬 0 0 1 0 1 0 1 1 0 4 勝：保戸田　敗：阪本　本：遠野（新薬）、丹波（東芝）、岡田（新薬） 第8試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 日立製作所 0 0 0 0 1 1 0 0 0 2 松下電器 1 0 1 3 0 0 0 3 X 8 勝：潮崎　敗：酒井

第9試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 NTT東京 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 新日鐵堺 1 0 0 1 0 0 0 1 X 3 勝：野茂　敗：鍋島　本：馬場、佐藤（以上堺） 第10試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 北海道拓殖銀行 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 NTT東海 2 0 0 1 0 0 3 0 X 6 勝：上原　敗：吉田修　本：沢田（NTT東海） 第11試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 三菱重工三原 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 大昭和製紙北海道 0 1 0 0 0 2 0 0 X 3 勝：渡部　敗：金広　本：酒井（北海道） 第12試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 NTT九州 0 0 0 0 0 0 0 1 1 2 本田技研鈴鹿 3 0 0 0 0 0 1 1 X 5 勝：塩崎　敗：安武　本：杉山2（鈴鹿）、山本、端山（以上九州） 第13試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 三菱重工横浜 0 0 0 3 2 0 0 1 0 6 ニコニコドー 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 勝：小山田　敗：林文　本：田中（横浜） 第14試合－延長12回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計 大阪ガス 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 1 4 プリンスホテル 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 勝：松谷　敗：末木　本：小川、石井浩（以上プリンス）、中西、折原、内田（以上大ガス） 第15試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 富士重工業 0 1 0 2 0 0 0 0 0 3 大昭和製紙 1 0 4 1 0 0 2 1 X 9 勝：金沢　敗：泉　本：村田（富士重） 第16試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 新日鐵広畑 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 河合楽器 0 0 3 0 1 0 0 0 X 4 勝：平田　敗：足達　本：村瀬（河合）

2回戦

第1試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 日本たばこ 0 1 1 0 2 0 1 0 0 5 ヤマハ 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 勝：郭　敗：西村　本：寺嶋、曲山、林（以上たばこ） 第2試合－延長10回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計 本田技研 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 河合楽器 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2x 2 勝：平田　敗：中屋　本：上中（河合） 第3試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 NTT四国 0 0 1 1 0 0 1 0 0 3 熊谷組 0 0 0 2 0 0 5 0 X 7 勝：田辺　敗：渡辺　本：黒木（熊谷組） 第4試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 NTT信越 1 0 0 0 0 0 0 2 0 3 三菱重工横浜 5 0 0 0 1 0 3 1 X 10 勝：小山田　敗：北沢　本：土居（信越）、田中（横浜）、横井（信越）

第5試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 本田技研鈴鹿 0 0 0 1 2 1 0 3 1 8 東芝 4 1 0 3 0 0 0 1 X 9 勝：三原　敗：原田　本：鈴木（東芝）、杉山、岡崎（以上鈴鹿） 第6試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 松下電器 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 NTT東海 0 0 0 2 0 0 0 0 X 2 勝：上原　敗：潮崎 第7試合－延長17回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 計 大昭和製紙 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 新日鐵堺 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1x 2 勝：野茂　敗：金沢 第8試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 大昭和製紙北海道 5 0 1 0 0 0 0 0 0 6 大阪ガス 0 0 1 0 0 0 0 1 0 2 勝：渡部　敗：萩原　本：平（北海道）

準々決勝

第1試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 熊谷組 1 0 4 0 1 0 1 1 2 10 日本たばこ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 勝：鈴木哲　敗：柳畑　本：森山、向山、宮崎（以上熊谷組） 第2試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 三菱重工横浜 2 1 0 0 0 0 3 0 4 10 NTT東海 3 1 0 0 6 0 1 0 X 11 勝：今野　敗：岡田　本：清家（横浜）、松本（NTT東海）、細谷（横浜）

第3試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 新日鐵堺 0 0 0 0 0 0 2 1 0 3 東芝 1 2 0 1 1 2 0 0 X 7 勝：菊池　敗：野茂 第4試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 河合楽器 0 1 3 0 0 0 0 0 0 4 大昭和製紙北海道 0 1 1 1 0 2 0 0 X 5 勝：浅川　敗：平田　本：阿相2（北海道）

準決勝

第1試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 熊谷組 0 0 1 0 0 1 0 0 0 2 NTT東海 0 0 0 0 0 1 1 0 3x 5 勝：上原　敗：谷津田　本：森山（熊谷組）、湯之戸（NTT東海）

第2試合 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 大昭和製紙北海道 0 0 0 0 0 1 0 1 1 3 東芝 2 2 2 1 0 0 0 0 X 7 勝：三原　敗：渡部　本：前田（東芝）、阿相（北海道）

決勝

• 決勝戦（8月7日）

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
NTT東海	0	0	0	0	2	0	0	0	0	2
東芝	1	0	0	0	0	0	0	1	1x	3

勝：三原　敗：上原
（東芝は5年ぶり3回目の優勝）

表彰選手等

• 橋戸賞 高見泰範捕手（東芝）
• 久慈賞 上原勝男投手（NTT東海（NTT北陸））
• 小野賞 横浜市・三菱重工横浜チーム
• 若獅子賞 平田幸夫投手（河合楽器）、野茂英雄投手（新日鐵堺）
• 10年連続出場表彰選手

小林彰外野手（北海道拓殖銀行（NTT北海道））

武居邦生内野手（ヤマハ）

湯之戸孝修内野手（NTT東海）

大本二郎捕手（松下電器）

羽二生俊之内野手（三菱重工三原（NKK））

若松茂樹内野手（NTT中国（三菱重工広島））

• 応援団コンクール
  • 最優秀賞 東芝
  • 優秀賞 熊谷組
  • 敢闘賞 大阪ガス、松下電器
  • 特別賞 NTT東海