第4部 ピエール・ベズーホフ
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「戦争と平和 (1967年の映画)」の記事における「第4部 ピエール・ベズーホフ」の解説
フランス軍がモスクワに迫り、クトゥーゾフ将軍はモスクワを死守するか、退却するかの決断を迫られた。小さな少女が見つめる中で将軍たちの作戦会議で一部の反対を押し切ってクトゥーゾフはモスクワを放棄することを決意する。モスクワの市民たちは先を争って避難を開始した。ロストフ家も多くの市民とともにモスクワ市街を撤退するが、ピエールは農民に身をやつして街に残る。ナポレオンを殺すつもりであった。フランス軍がモスクワ入城の後に市内は略奪をほしいままの暴徒の街と化した。やがて義憤にかられ抵抗したピエールは放火容疑でフランス軍に捕まり死刑の宣告を受けるが、フランス軍士官ランバール大尉のおかげで危うく処刑は逃れる。 一方危篤状態で避難してきたアンドレイは、避難した所でナターシャと再会し、ナターシャが許しを請うとアンドレイは「僕は前よりももっと強く深く愛しています」と語り、2人はお互いの愛を確かめあう。しかし数日後アンドレイは全てを許して息絶える。クトゥーゾフはナポレオンの降伏勧告を無視し続け、モスクワでフランス兵の放火から市街が大火に見舞われて、士気が乱れるままになってナポレオンの焦燥と危機感は増すばかりであった。そしてついにナポレオンは何の成果を得ることなくモスクワからの退却を決断する。ナポレオン撤退の報せを受けたクトゥーゾフ将軍はひれ伏して神に感謝した。ここからロシア軍が反撃を始める。 フランス軍の捕虜になっていたピエールは同じ捕虜となった農民兵のプラトン・カラターエフと知り合う。何事も運命に逆らわず、利口ぶらず、単純素朴に生きる彼の考え方に死線を乗り越えてきたピエールは深い感銘を受け、フランスに連行される途中に力尽きてカラターエフは射殺されるが、人間の生命力の尊さを知り、迷いが吹っ切れていく。 ナポレオンの軍隊はやがて冬将軍の訪れとともに寒さと飢えと執拗なロシア軍の追撃に、雪崩をうって敗走する。ピエールはやがて解放されるが、ナターシャの弟ペーチャはフランス軍追撃の闘いで戦死する。ついにナポレオンは自軍を見捨てて行った。捕虜となったフランス兵の中にランバール大尉がいた。彼はロシアの兵隊たちから「みんな同じ人間だ」と、酒食をふるまわれる。 ロシアが勝利の喜びに湧いていた時にピエールはモスクワに戻って来た。彼は人間は幸福のために生まれてきた存在であることを実感として悟った。やがてピエールはアンドレイの妹マリヤを訪ね、アンドレイの話を始めると、隣の喪服姿の女性が笑顔を見せていることに気づいた。それはナターシャであった。そして二人は初めて会ったときから変わらぬ愛を確認するのであった。 原作の第三巻第三部から第四巻までに相当する内容になっている。ただし原作にあるエピローグはなく、ピエールとナターシャが再会することで結ばれることを示唆して映画は幕を閉じる。
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