第四節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 09:31 UTC 版)
フォイエルバッハが捨てたヘーゲルを、捨てるのではなく批判的に継承する方向で、唯物論を再措定して、始まっている。唯物論とは、現実の世界を先入観なしに、現れるがままに理解し、空想的な連関ではないものなのだと、それ自身がもたらす事実に一致しないすべての観念論的奇想を抛棄することであるとされた。ヘーゲルにあっては概念の展開に過ぎなかった弁証法は、現実の世界の弁証法的反映に過ぎないと捉え返される。この唯物論の進展は、自然科学に於ける三大発見(細胞の発見・エネルギーの転換・ダーウィンの理論)を始めとする進展によって裏付けられていると言う。社会科学が観念性を脱し、社会関係を諸過程の連関として把握できるようになってきたのは、現代にあっては歴史的連関が単純化したからだと言う。近代にあっては政治闘争は階級闘争であり、階級の成立は経済的な原因による。国家、法律、それらを支えるイデオロギーも経済的連関の内にあること、宗教もまた例外でないことが述べられる。マルクス主義歴史観は、歴史そのものに則して証明されなければならないとし、そのようになされたものとまた思うと述べられる。それとともに哲学は終焉し、論理学と弁証法を残すのみとなり、「ドイツの労働運動が、ドイツ古典哲学の相続人である」と結ぶ。
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