第四紀の氷期/間氷期サイクルの命名体系
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「氷河時代の年表」の記事における「第四紀の氷期/間氷期サイクルの命名体系」の解説
当初、第四紀氷河時代の氷期・間氷期は特徴的な地質の特色に因んで命名されていたので、それらの名称は地域ごとに異なっていた。今は、氷期・間氷期に言及するときは、それらの海洋同位体ステージ (Marine Isotopic Stage, MIS) 番号を使って表すことが研究者らの間で一般的になってきている。海底堆積物の記録は過去の全ての氷河時代の情報を保存している。それに比べて、陸上に残された痕跡は、後の氷河作用が前の氷河作用の痕跡を削り取って消し去ってしまうこともあるため、不完全であることが多い。積み重なった大陸氷床を掘削して得られる氷床コアも完全な記録を提供してくれるが、海洋のデータほど古い年代まで遡ることはない。レス(黄土)のプロファイルのほか、湖沼堆積物から得られる花粉のデータも重要な陸上の相関データを提供した。専門的議論はMIS番号を使用する方に向かったので、「命名」による体系は完成しなかった。たとえば、最近50万年の間に海底堆積物に記録された更新世の氷期・間氷期サイクルは5回あるが、同じ時期(ミンデル、リス、ヴュルム)の陸上の記録に基づいて当初認識されていたのは3回の典型的な間氷期だけだった。 陸上に残された証拠はMIS 6まではそこそこうまく遡れるが、陸上の証拠だけを使ってそれより前の年代の氷期・間氷期を順序よく整理するのは難しい。したがって、「命名」体系は不完全であり、陸上の証拠に基づくそれ以前の氷河時代の同定は推測によるところが大きい。それにもかかわらず、陸上の記録からのデータは地形についての議論や既知の海洋同位体ステージとそれらを関連づける際には有用である。
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