第四紀研究における花粉分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 02:10 UTC 版)
「花粉分析」の記事における「第四紀研究における花粉分析」の解説
第四紀研究では一般に多量の花粉、または胞子を生産する種子植物やコケ植物が研究の対象になりやすい。これらの空気中に放出された花粉・胞子は湖沼や海に堆積する。花粉・胞子の外膜を構成するスポロポレニンは化石として保存される。このように、花粉・胞子を採取し調べることで植物の特異性を見出し、母植物群を知ることで過去の植生や気候や古環境を推定することができる。第四紀研究の例としては浜名湖における柱状堆積物の採取による植生変遷の復元、北アメリカ東部の植生の復元、福岡市板付遺跡におけるイネ花粉採取による稲作農耕研究が挙げられる。浜名湖の研究では黒潮による気候緩和作用の影響で、完新世初期からシイ林の発達が著しいということが明らかになった。また北アメリカの研究では古気候・古植物植生分布図を時代別に復元し、各分類群ごとの変遷図について様々な議論がなされている。福岡市板付遺跡の研究ではイネ科の消長が明らかにされたほか、稲作史解明のために様々な測定や研究が行われた。
※この「第四紀研究における花粉分析」の解説は、「花粉分析」の解説の一部です。
「第四紀研究における花粉分析」を含む「花粉分析」の記事については、「花粉分析」の概要を参照ください。
- 第四紀研究における花粉分析のページへのリンク