競走能力に関する評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 16:34 UTC 版)
「ナリタブライアン」の記事における「競走能力に関する評価」の解説
ナリタブライアンの関係者はデビュー前からナリタブライアンに高い素質を感じていた。デビュー戦の直前期に調教で騎乗した南井は、加速の仕方がオグリキャップと似ていたことから「これは走る」という感触を得ていた。また、調教助手の村田光雄は、初めて調教のために騎乗したときに「これはモノが違うかもしれない」と感じた。ただしマスコミに対しては高評価を与えた馬ほど走らないというジンクスを意識して「ビワハヤヒデと比べるのはかわいそう」などと控え目なコメントを出し続けた。 デビュー後も関係者は高い評価を与え続けた。南井はデビュー戦で2着に敗れたにもかかわらず、「この馬はすごい」と評した。その後も南井はナリタブライアンに高い評価を与え続け、東京優駿優勝後には「今まで乗った馬の中で一番強いんじゃないか」とコメントした。大久保はデビュー戦のあと、「この馬は強い。モノが違う」と絶賛し、早田に対し初勝利を挙げた2戦目のレース後に「この馬は、兄を超えますよ」、函館3歳ステークスでは6着に敗れたにもかかわらず「これはビワハヤヒデより上に行くよ」、「凄い馬ですね。間違いなく大物になります」と語った。さらにスプリングステークスを優勝した際「ダービーを勝てそうか」と問われ、「まあいけるんじゃないの」と答えた。きんもくせい特別で騎乗した清水英次は「(騎乗経験がある)ナリタタイシンの今頃よりも乗りやすい。とにかく器が違う」と評した。また騎手引退後には、自身が騎乗した中でトウメイと並んで最も賢い競走馬だったと評した。武豊は、他の競走馬に騎乗してブライアンと対戦した際の感想として、「全然勝てる気がしない。ナリタブライアンに負けても仕方がないと納得してしまう」、「あの馬を敵に回していたころは、5馬身差の負けが10馬身にも20馬身にも感じられた」とコメントしている。1995年のジャパンカップでの騎乗を前に初めて調教で跨った際には「乗っていて気持ちいい、凄いバネがあるし、力強い」、「あんなにバランスのいい走りをする馬は、そうはいませんよ」と語り、レース直前に受けたインタビューにおいては、当年の英ダービー、キングジョージ、凱旋門賞の「ヨーロッパ三冠」を制したラムタラが出走したら、という問いに対して「ナリタブライアンがまともな状態で出たとしたら、いくらラムタラとはいえ、簡単には勝てないと思う」と見解を示している。 その他の競馬関係者による評価を見ると、オリビエ・ペリエは「印象に残る馬」の1頭としてナリタブライアンを挙げ、「この馬の競馬ぶりは本当に衝撃的だった」「全盛時の走りは世界クラスだった」と述べている。岡田繫幸はナリタブライアンの3歳時に「来年のクラシックは全部ナリタブライアンが持っていっちゃうだろうなあ。ウチの馬(マイネルの馬)の出番はないよ。悔しいけど、認めざるを得ないなあ……」と語った。野平祐二は前述のように東京優駿のレース後、自身が管理したシンボリルドルフと比較して「これからいろいろあるだろうが、現時点ではブライアンが上かな」と評したが、股関節炎を発症したあとのナリタブライアンのレースを見て、「ルドルフを超えたかな、と思ったときもありました」「あらためて、シンボリルドルフという馬の真価が、わかるような気がします」と評価を改めている。杉本清はクラシック3戦において皐月賞を3馬身半、東京優駿を5馬身、菊花賞を7馬身と2着馬との着差を広げていって非常に強くなっていった馬という印象があったといい、「こんなに強くなるのか」という気持ちがあったと述べている。岡部幸雄は「あの馬は気持ちをガッと表に出すタイプじゃないから、傍から見てもわからない部分が多いんだよね。シラッとして、なんとなく走って、それでいてすごい結果を出す馬」と評している。 「Sports Graphic Number」が1999年に行った「ホースメンが選ぶ20世紀最強馬」でナリタブライアンはシンザン、シンボリルドルフに次ぐ3位に選出されたが、本馬に投票した松元省一は、「(自身が調教師として管理した)トウカイテイオーが一番競馬をしたくなかった馬だった」と評している。
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