競走距離誤認による出来事とその後のエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/02 21:30 UTC 版)
「山田敬士」の記事における「競走距離誤認による出来事とその後のエピソード」の解説
2018年10月13日の新潟6R(3歳以上500万下)において、北所直人が所有する競走馬で2番人気のペイシャエリートに騎乗した。レースはダート2500mの長丁場で、スタートから先手を取ったが、直線に入ったことでまだ1周以上の距離があるのに短距離のレースと誤認した山田は1周目のスタンド前直線で突如鞭を入れて必死に追う動作を見せる。そのまま後続に差をつけて1周目のゴール板を通過すると、大きく外に誘導して減速し、内を通る後続馬に次々と追い抜かされてしまう。レースがまだ続いていることに気付いた山田は慌てて隊列に戻ったものの、1着から4秒8離された最下位に終わった。 レース終了後、JRAより山田がレースの距離を誤認したことが正式に発表された。この前代未聞の出来事により、翌日の10月14日より「裁定委員会の議定があるまで」の騎乗停止処分が課された。距離の誤認による騎乗停止はJRA史上初の珍事であった。11月7日、JRAの裁定委員会は山田が騎手としての注意義務を著しく怠ったものと認め、日本中央競馬会競馬施行規程第147条第19号が定める「競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者」に該当するとして、レース翌日から2019年1月13日までの3ヶ月間の騎乗停止処分を決定した。 週刊朝日の報道によれば、山田は「距離が2500mであることをレース前から認識していたものの、調教師から『絶対、ハナ行け(先行して逃げろ)』と指示をされたことで逃げることに必死になり、1周目の4コーナーを回った時点でまだ周回が残っていることが頭から飛んでしまった」と説明しているという。 騎乗停止解除時期が3日間開催の2日目であったため、解除翌日の1月14日の騎乗で復帰。復帰第1号は中山3Rのペイシャラトゥールであり、問題となったペイシャエリートと同じ北所の所有馬での復帰となった。これは、注意義務違反の処分を受けた際に、山田は迅速に調教師の小桧山と同伴ながらも北所に直接面会した上でこの件を謝罪し、北所もその反省と謝罪を受け入れ、さらに迅速な対応を評価した返礼として、山田の復帰日に北所がもう一度騎乗のチャンスを与えようとの計らいによるものであった。 さらに両者の関係はこれだけに留まらず、同年2月10日の騎乗において東京7Rのペイシャボムで復帰後初勝利となった。その前の勝利も北所所有の競走馬であるペイシャリルキス(2018年9月23日中山1R)であり、またデビュー当初・距離誤認以前より北所の所有馬における主戦騎手を務めているなど、縁が深い関係となっている。
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