競合との競争激化 (OS Ver.2)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 17:02 UTC 版)
「Amiga」の記事における「競合との競争激化 (OS Ver.2)」の解説
1990年にはOSがVer.2にメジャーバージョンアップし、高性能なECSチップセットとMC68030を搭載したAmiga 3000をリリース。売れ行き的にも絶頂期を迎え、Atari STを圧倒するが、一方でこの頃からハードウェア性能がMacintoshやPC/AT互換機に追い抜かれる。北米ではビジネスユースで圧倒的なシェアを得たPC/AT互換機がホームコンピューターの市場を食っていたこと、玩具屋で安売りされるなどのCommodore64以来の販路が「ゲーム機並みの玩具パソコン」として敬遠されたこと、趣味でデスクトップムービーを扱うような層が欧州に比べて限られていたことなどから、この頃からはAmigaの市場はほぼ欧州のみとなっていた。世界的にシェアを持つモトローラ系のメジャープラットホームはMacのみとなり、モトローラがMacのみに注力するようになったため、Amigaなどには最新の部品(MC68040など)が供給されなくなり、ますます差が広がった。 1991年、フィリップスが規格を制定したマルチメディア機であるCD-iプレーヤーに対抗して、Amiga 500のハードをそのまま流用したCommodore CDTVを「マルチメディア機」として売り出したが商業的に失敗に終わる(ちなみにCD-iも失敗している)。また同年、Amiga 500の改良版としてWorkBench 2.0を搭載したAmiga 500+をリリース。ユーザーインターフェイスは進化したものの、WorkBench 1.3を搭載していたAmiga 500との互換性に乏しく、いくつかのAmiga 500用のゲームが動かなかったためにゲーマーの不評を買う。一部のゲーマーはAmiga 500+にWorkBench 1.3をロードさせるプログラムを使って対処した。 1992年、Amiga 500+の改良版としてAmiga 600をリリース。コモドールは16ビット機から32ビット機への移行期にあたって、16ビット機であるAmiga 500シリーズを32ビット機に対する最廉価ラインと位置づけ、そろそろゲームコンソールとしての役目を終えようとしていた8ビットゲームパソコンCommodore64/128シリーズをこのAmiga 500シリーズで置き換える目論見であった。コモドールはAmiga 600を「レミングス」などの人気ゲームやグラフィックスエディタの「デラックスペイント」と抱き合わせにしてAmiga 500と同価格帯で販売したが、既にAmiga 500シリーズはゲーム機としては性能が陳腐化しており、欧州のゲーマーは1990年末にリリースされたSEGA MEGA DRIVEにどんどん移行していったため、結局Amiga 500シリーズは打ち切られ、本来上位機種と位置づけられていたAmiga 1200がゲーマー向け廉価機種として投入される羽目になってしまう。1990年前後より欧州各国でオタクブームが起こり、Amiga 500でも『アビヂャ』や『タリカン3』など日本製アニメの強い影響を受けたゲームが多くリリースされるが、MEGA DRIVEにてリリースされる本家の日本製ゲームは質・量共にAmigaを圧倒しており、Amigaは欧州のオタク層の支持を失った。
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