破竹の四連勝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 15:25 UTC 版)
シーズン緒戦、バリーモスはチェスターのオーモンドステークス(英語版)でドウテル Doutelle (GB) に2着に敗れたが、その後ヨーロッパにおける傑出した競走馬であることを自ら証明した。イギリスで、エプソムのコロネーションカップをフランス調教馬フリック Fric (FR) 、サンダウンのエクリプスステークスではレストレーション Restoration (FR) 、アークティックエクスプローラー Arctic Explorer (GB) から6馬身差で勝利し、アスコットのイギリスで最も重要な馬齢重量戦、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走した。レース当日11対4(3.75倍)から7対4(2.75倍)の1番人気に支持を集めたバリーモスは、ゴール手前1ハロン半でリードを奪うとアルメリア Almeria (GB) に3馬身差を付けて完勝した。ドウテルが3着だった。 10月、ロンシャンの凱旋門賞のためにパリへ送られた。この年の凱旋門賞には17頭が出走し、地元フランスのフランソワ・デュプレ(英語版)生産、所有馬ベラパオラ(英語版) Bella Paola (FR) とタネルコ Tanerko (FR) のカップリングが1番人気の支持を集めた。ベラパオラは、この年イギリスで1,000ギニー、オークスを制覇したほか、前年のグランクリテリウム(ジャン・リュック・ラガルデール賞)や前走ヴェルメイユ賞など、デビュー戦3着とジョッケクルブ賞で2着になった以外は負け知らずだった。タネルコは前々年(1956年)の凱旋門賞ではリボー Ribot (GB) に3着に敗れたが、この年ガネー賞、サンクルー大賞をそれぞれ連覇するなどしていた。前日早い時間の強い雨で馬場は悪化し、バリーモスは3.9対1(4.9倍)の2番人気だった。後年、種牡馬として日本に輸入される、この年のデルビーイタリアーノなど地元イタリアで多くの大レースを勝ってきた*セダン Sedan (FR) が3番人気。同じく後に輸入される、同年のロワイヤルオーク賞優勝馬*ワラビー Wallaby (FR) 、前年のロワイアルオーク賞、この年カドラン賞に勝利していた*スコット Scot (FR) が、それぞれ4、5番人気となっていた。 当日、馬場は急速に乾きつつあったが、出走馬が下見所に出ると土砂降りになった。オブライエンは時間ぎりぎりにバリーモスを引き出すことを考えていると伝えられていたが、賢明にもこれを行い、彼の馬は下見所、スタンド前のパレードともに完全に落ち着いていた。レースでは、最後の直線に入るとブリースリー騎手はリードを奪い、強く追われることなくフリックに2馬身差を付けてバリーモスが楽勝した。前年のセントレジャー同様アイルランド調教馬の優勝は初めてで、レース中の不利の指摘もあるベラパオラは8着に敗れた。3着には更に2馬身半遅れてケラスコ Cherasco (FR) が入り、タネルコは5着、スコット7着、セダン、ワラビーは着外(着順記録なし)だった。
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