白人説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 02:03 UTC 版)
鬼の正体が白人であるとの説がある。確かに、鬼の代表格とも言える酒呑童子は、現存最古と言われる絵巻(『大江山絵巻』、南北朝時代か)の中でも、髪は茶色で、眼も明るい色をしている。赤い肌は日焼けの比喩と考えられる。また、体格も非常に大きい。 江戸時代には既に、鬼が海外より日本に上陸した海賊ではないかという俗説があり、明治時代には、やはり俗説として鬼=ロシア人説があった。現代においても鬼の白人説は一部には根強く信じられている。手塚治虫は、この説を元に漫画作品『鬼丸大将』を描いている。 一方、近年の、人類学の一分野である分子人類学の発展により、日本人の遺伝的組成が次第に調査されて来ると、それらの調査研究の一部に、日本人の中に白人系由来の遺伝子がわずかながら存在している可能性を指摘する研究が出て来ている。そして、その研究の一つで白人的遺伝子を持つ人が比較的多いと推測された東北地方の一部地域は、鬼やナマハゲ(鬼の姿をしている)、古代蝦夷の伝承を色濃く残す地域と良く一致しているとの指摘もある。ただし、上記の鬼=ロシア人説は、ロシア人の歴史地理的分布と鬼の「存在した時代」を比較して、ほぼありえない。そこで、「白人的遺伝子を持った存在」としての鬼の由来についての別の説明も、一応存在している。 「山姥」「山姥=白人説」の節も参照。
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