番組開始の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 16:16 UTC 版)
かつて、NHKのラジオ放送は災害時やオリンピック中継等を除き、ラジオ第1は5時、FMは6時に放送を開始し双方とも当初は翌0時、FMは1988年4月以後翌1時に放送休止時間帯に入っていた。当時の最終番組は一時期の23:50 - 翌0:00を除き、23:55 - 翌0:00の最終版のNHKニュースと、翌0:00の君が代演奏の後チェレスタによるインターバル・シグナルであったが、その前の番組は「夢のハーモニー」(1965年4月 - 1984年3月)、「おやすみの前に」(1984年4月1日 - 1990年4月1日)、「ないとぶれいく」 が放送され、この枠でも基本的にディスクジョッキーを務めるアナウンサーが聴取者に語り掛ける雰囲気で話し、クラシックなど比較的静かな音楽を放送していた。 しかし、1988年9月に昭和天皇が重体になって以降、天皇の容態を随時伝える目的でNHKは総合テレビ・ラジオ第1・FMを24時間放送し、本来の放送休止時間帯にあたる未明・早朝帯にフィラーとしてクラシック音楽と関連ニュースを放送した。この速報体制は1989年1月7日の昭和天皇の崩御をもって終了したが、「静かな音楽を終夜流す」という放送形態が支持を呼び、常時24時間放送出来ないかという投書が数多く寄せられた。 1989年11月の3連休に「67時間ラジオいきいきラリー」と題した特別放送を実施し、通常は保守点検を行う深夜の時間帯に音楽や落語などを放送すると、中高年層から「大人が聴ける静かな番組」として支持されて「ラジオ深夜便」の誕生に繋がった。 従来は深夜時間帯の自然災害や突発的なニュースの発生時に、放送設備の電源投入や宿直・仮眠中の職員の準備など放送を開始するまでに10 - 15分を要したが、本番組の開始により初期対応の迅速化も図れる。 このNHK初となる本格的な終夜の深夜放送を開始するにあたり、当時の担当ディレクターから番組の題名を社内公募して「ミッドナイトシャワー」「深夜のがんばるマン」など、100以上の提案 を得た。
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