画像の保存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:44 UTC 版)
以前は磁気テープに保存されていたが、技術の進歩に伴いハードディスクやフラッシュメモリに保存される例が多くなってきている。画像は連続静止画のMotion JPEGやMotion JPEG 2000、差分圧縮のMPEG4やH.264などの形式で、通常は記憶領域の容量があるかぎり保存される。容量が足りなくなった後は、古い記録から削除して行く方式が一般的なため、記憶装置の容量については必要な保存期間を考慮して選定する。画像の質は磁気テープより良質である。 画質または圧縮率は、連続静止画よりも差分圧縮の方が高い。2016年(平成28年)時点、圧縮率の高いH.264 High Profileを採用する監視カメラが増えており、H.265を採用する監視カメラも登場している。 白飛びや黒潰れを防ぐため、オートホワイトバランスに対応していたり、複数露光を合成するハイダイナミックレンジ(HDR)撮影機能を備えたりしている監視カメラも存在する。トーンマッピングする前のRAW画像形式で静止画を保存できる監視カメラも存在するが、RAW動画形式で保存することはあまり行われていない。なお、監視カメラは色再現性があまり重視されておらず、18%グレーカードやカラーチェッカーなどは使われていないため、照明や日光などの光の影響を除いた正しい色情報を記録することはできない。ただし、顔認識によって検出した顔に合わせて色補正する監視カメラは存在する。その他、光の乱反射を除去する偏光フィルター/偏光レンズを搭載した監視カメラも存在する。 また動画処理の進化によって、霧や雨などの天候の影響を少なくする霧画像補正(フォグリダクション/Dehaze/Defog)や、暗部を明るくする低照度画像強調(Low Light Image Enhancement / Visibility Enhancer)に対応した監視カメラも登場している。 アナログ式監視カメラでは伝送ノイズが多く、インターレース動画であるために、デジタルで保存すると容量が大きくなる。デジタル式監視カメラでは伝送ノイズの影響がなく、プログレッシブ動画であるため、容量が小さくなる。差分圧縮の場合は、CCDノイズの低減や物理的・ソフトウェア的モーションスタビライザや陽炎除去によって、さらに容量を小さくすることができる。また、背景差分や人感センサなどによる動体検出によって、常時画像を保存するのではなく、カメラの撮影範囲で動くものを検出した時にだけ、その前数秒から録画を開始することができ、容量を節約することができる。また、エンコードにおいて動画フレームの中の特定エリアだけ画質を上げ、他を下げることのできる監視カメラも存在する。 撮影コマ数は通常1秒間に15コマまたは30コマの動画として設定することが一般的だが、金融機関のATMコーナーなどでは1秒間に1 - 3コマの撮影で、保存期間を長期化する傾向がある。コマ数を落として記録するVTRは「タイムラプスVTR」と呼ばれる。
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