田代のオリンピック代表選出と「資格問題」とは? わかりやすく解説

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田代のオリンピック代表選出と「資格問題」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 17:19 UTC 版)

田代菊之助」の記事における「田代のオリンピック代表選出と「資格問題」」の解説

田代二部学生で、人力車夫でもあった。この当時日本国内アマチュアスポーツ管轄していた大日本体育協会体協)は、1920年アントワープオリンピック国内予選参加者に「学生タリ青年会員タルヲ問ハス品行方正ニシテ脚力ヲ用フルヲ業トセサルモノ」という条件付し車夫郵便配達夫、魚屋挽子などは「(準)職業競技者」として予選国内競技会から排除され車夫そのまま身分では陸上競技大会には参加できなかった。 1922年体協競技者資格発表国内競技会二部制にするとし、「アマチュア」の一般競技者からなる第一部」と、「職業性質練習便宜有するもの」からなる第二部」に分けた資格について体協資格審査委員会判定するとした)。そのうえで国際大会への出場者は「第一部」の選手に限るとされた。これによって車夫新聞配達人といった「準職業競技者」も体協主催競技会の「第二部」に出場することは可能になったが、実際には「第二部競技会への参加者は非常に少なかった二部制は実質的に特定の職業についた競技者排除するものとして機能したパリオリンピック代表選考めぐっては、1923年3月17日開催され体協常務委員会において、いったんは田代アマチュア資格なし(「第二部」に属す選手)と決定され二次予選への出場資格剥奪された。しかし4月7日開かれた常務委員会では一転し、「満場一致」で田代二次予選出場資格認められた。4月12日駒場開催されオリンピック二次予選で、田代10000m走3248秒6で走り、自らの日本記録更新した体協オリンピック選手選考委員会は、二次予選成績過去の「権威ある大会」での優秀な記録照らし田代を代表とすることを決定した選考委員会二次予選成績基礎とするいう方針であり、過去2度オリンピック参加で「零敗」したことから「国民士気阻喪」を恐れ、「国外へ威信」を示す必要に迫られたことから、競技者資格以上に競技成績重視する選考となった考えられる。 こうして行われた田代選考に対して学生競技者側が反発示した1924年4月13日早稲田慶応明治の3大学競走部(関東学生陸上競技連盟所属)は体協に「決議文」を突きつけ競技者資格厳守や、体協実務担っていた野口源三郎主事更迭組織改造などを要求した。しかしパリへ選手団派遣追われる体協折衝余裕がなく、期限4月25日)までに3大学側回答が行われなかった。このため学生競技者側には体協誠意がない捉えられ問題拡大この年明治神宮競技大会関東学生陸上競技連盟所属13校(13校のうちには中央大学含まれる)がボイコットし13問題)、翌1925年体協学生競技者側の要求受け入れる形で組織改造を行う事態発展した。 この問題には、体協組織運営をめぐる問題役員大多数東京帝国大学東京高等師範学校といった官学出身者占めていたことなど)や、スポーツにおけるアマチュアリズム問題ひいてはエリート学生スポーツへの労働者参加拒む階級問題)など、さまざまな要因が絡むとされる

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