生産性指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 16:33 UTC 版)
生産技術では生産現場の効率や製品の経済性を把握するために、さまざまな生産性指標が使われる。経済用語をそのまま使うことも多い。 固定費 CCとも言う。生産量にかかわらず必要となるコストである。製造業の場合、主なものは設備の償却費、借金の金利などである。製品の研究開発費は固定費に分類されることが多い。 変動費 SVCとも言う。生産量に比例して必要となるコストである。製造業の場合、主なものは材料費、人件費、電気代などである。 損益分岐点 黒字と赤字の境界となる売り上げのこと。損益分岐点以上に売り上げがないと赤字になる。一般に固定費が少ないほど損益分岐点は低くなる。低いほど良いとされる。売り上げが低下したときには、この損益分岐点を低くするためにリストラなどが行われることがある。 工数消化率 工数消化率=実績工数/計画工数 単に消化率とも言う。実際に発生した作業時間(実績工数)を予定されていた計画工数で割った数値。工数消化率が高いほど生産性が低く、工数消化率が低いほど生産性が高いと言われる。しかし、100%から数値の乖離があまり大きいと、工程設計の甘さや現場作業に異常があると考えられる。 操業度 基準操業度ともいう。総工数から基準総操業時間を引き、作業員数(または設備数)で割ったもの。簡単に言えば残業時間の平均である。0~1に入る数値であることが望ましい。2シフトの工場で、一日の基準就業時間が8時間の場合、昼休みなどを除くと残りの時間は6時間である。つまり日の場合、1シフトあたり3時間以上の残業は物理的に不可能である。操業度が3を超えると生産がオーバーフローすることになる。操業度が2を超えたら生産増強の対策を考えなければならない(なお、この「操業度」の意味は業種や事業所によって微妙に違うことがある)。 稼働率 稼働率=稼動時間/就業時間 実際に設備が稼動した時間を就業時間で割ったもの。就業時間ではなく、1日24時間を分母にすることもある。 チャージ 単位時間当たりのコスト。労働者の時給に、設備の償却費や間接人員のコストをみなしで加えたもの。チャージに製造工数を掛けると、その製品の製造コストとなる。 製造原価 製造原価=製造工数xチャージ+材料費 製造コストと言う。物を作るのにかかる費用。管理費などはチャージに含まれるのが普通。 仕切価 工場出荷価格、工場卸値、SVMとも言う。工場からディーラーへ供給される時の製品の価格である。工場から販売業者までの輸送費は含まれるのが普通である。遠隔地の場合は別途特別輸送費がかかる場合もある。
※この「生産性指標」の解説は、「生産技術」の解説の一部です。
「生産性指標」を含む「生産技術」の記事については、「生産技術」の概要を参照ください。
- 生産性指標のページへのリンク