生命指標
『二人兄弟』(グリム)KHM60 旅に出た2人兄弟が別れる時、別れ道の木の幹に、1本の短刀を突きさしておく。そこへ戻って来れば、もう1人の安否がわかる。短刀の片面が兄、もう片面が弟をあらわしていて、それがぴかぴかしていれば生きており、錆びていれば死んでいるのだ〔*後に兄が見ると、弟をあらわす片面の、半分が錆び、半分がぴかぴかしていた。兄は「弟は危険な目にあったに違いないが、半分は光っているから、命だけは助かるかもしれない」と考える〕。
『ペンタメローネ』(バジーレ)第1日第9話 旅に出るカンネローロが、国に残る王子フォンツォへの形見として、短刀を地面に刺すと泉が湧く。水がこんこんと出ている間はカンネローロは無事であり、泉が濁れば災難がふりかかったしるし、干上がれば命が燃え尽きたしるしである。また剣を地面に刺すと木が生え、枝が緑ならば無事、枯れたら死を意味する。
『和漢三才図会』巻第97・苔類「玉柏(まんねんぐさ)」 紀州の吉野や高野の深谷の石上に、万年松(しょう)という草が多く生ずる。長さは2寸ぐらいで、松の苗に似ている。旅人の消息を知りたい時は、これを椀の水に入れて卜(うらな)う。葉が開けばその人はつつがなく、葉が凋(しぼ)めば死亡しているという。これは馬鹿馬鹿しいことだ。この草は水をそそぐと活(い)きかえる性質があるのを、知らないのである。
『酉陽雑俎』続集巻2-898 人が死にかかった時、その身体から虱が離れる。一説では、病人の虱を取って、寝台の前で病気を占うことができる。虱が病人へ向かって進めば、快方に向かう。病人から遠ざかれば、その人は死ぬ。
『死神の名づけ親』(グリム)KHM44 病人の頭の方に死神が立っていれば病人は治り、足の方に死神が立っていれば助からない。病臥する王の足もとに死神がいるので、医者が王の身体を半回転させ、頭の方に死神が立つようにして、王の病気を治す。同様にして王女の病気も治す〔*死神は怒って、医者の命を取る〕。
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