現実における事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 09:39 UTC 版)
これまで、空からの海賊行為は少なくとも1回記録されている。第一次世界大戦中の1917年4月23日、英国向けの木材を積荷として北海を航行中だったノルウェーの民間帆船「ロイヤル(ROYAL)」号が、ドイツのツェッペリン飛行船L23 (LZ66) 号の搭乗員に乗り込まれて拿捕された。遭遇後、ツェッペリンは船の上を旋回したのち、すぐ近くに来ると船首正面に爆弾を落として停止させた。そして近くに降りた飛行船から3人のドイツ人が船に送り込まれ、「ロイヤル」号の船員は閉じ込められた。翌朝ドイツ海軍の駆逐艦が現れ、さらに人員が乗り込んできた。しかし彼らは帆や索具を操ることができなかったため、閉じ込めていた船員らを解放すると、船をドイツのクックスハーフェンへと向かわせるよう命じ、翌朝に到着した。「ロイヤル」号はドイツの裁判所に押収され、売却された。その後は戦時中も戦後もドイツの色々な海運会社に売却されて使われたが、1924年にスクラップとなった。 また、ハイジャック犯のことを英語で「Air pirate」と呼ぶことがある。世界で初めて記録された航空機ハイジャック事件は1931年に起きており(非公式だが1929年の発生事例もある)、「Air pirate」という語はその何年も前から存在していた。また日本でも、日本航空ハイジャック事件が続けて起きた1970年代には、ハイジャック犯のことを「空賊」と呼称した記事がいくつか出ているが、現在はその意味で使われることはあまりなくなっている。 2021年5月23日にアテネからヴィリニュスに向かうライアンエアー4978便がベラルーシ領空でベラルーシ空軍の戦闘機によりミンスク・ナショナル空港へ緊急着陸させられ、搭乗していた政治活動家でジャーナリストのラマン・プラタセヴィチらが拘束された事件において、日本語圏における報道で「空賊」という表現が使われた。
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