王朝復権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 07:13 UTC 版)
「1967-1968シーズンのNBA」の記事における「王朝復権」の解説
前季ついに連覇記録が途絶え、長期王朝時代に幕を閉じたかのように見えたボストン・セルティックスが、僅か1シーズンで王座に復権した。セルティックス王朝の時代はまだ終わっていなかったのである。 リーグは3年連続でリーグ首位の勝率を収め、ウィルト・チェンバレンが2年連続でMVPを獲得し、前季にはセルティックスを破って優勝を果たしたフィラデルフィア・76ersの支配が始まるはずだった。しかしプレーオフでは幾つかの不幸が76ersを襲った。デビジョン準決勝でビリー・カニンガムが手首を骨折し以降の試合を全休してしまい、チェンバレンやルーシャス・ジャクソンも故障を抱えながらのプレイを強いられた。それでもデビジョン決勝、セルティックスとのシリーズでは3勝1敗で先に王手をかけ、圧倒的優位に立った。ところがここからセルティックスが怒涛の反撃を見せて3連勝を飾り、まさかの大逆転負けを喫してしまったのである。セルティックスはプレーオフで1勝3敗の状態から逆転勝利を飾った最初のチームとなった。 ウエスタン・デビジョンではデビジョン勝率1位のセントルイス・ホークスがデビジョン準決勝で敗退してしまい、ファイナルにはセルティックスの永遠のライバルであるロサンゼルス・レイカーズが勝ちあがってきた。両デビジョンとも第1シード以外のチームがファイナルに勝ち上がってきたのは1954年以来のことである。ファイナルは4勝2敗でセルティックスが制し、セルティックスは10回目の優勝を果たした。 セルティックスは八連覇時代はシックスマンだったジョン・ハブリチェックが中心選手となり、サム・ジョーンズと強力なウィングコンビを結成した。インサイドには新戦力のベイリー・ハウエルとコーチ兼任のビル・ラッセルが陣取り、ドン・ネルソンらが脇を固める八連覇時代と同様の隙の無いチームになっていた。ビル・ラッセルはこの優勝で、黒人ヘッドコートとしてチームを優勝に導いたアメリカ四大メジャースポーツ史上初の人物となった。公民権運動を指導したマーティン・ルーサー・キングが暗殺された日から、約1ヵ月後の出来事である。 表 話 編 歴 ボストン・セルティックス 1967-68NBA優勝6 ビル・ラッセル |7 エム・ブライアント |11 マル・グラハム |12 トム・タッカー |16 サッチ・サンダース |17 ジョン・ハブリチェック |18 ベイリー・ハウエル |19 ドン・ネルソン |20 ラリー・ジークフリード |24 サム・ジョーンズ |26 リック・ワイツマン |27 ジョニー・ジョーンズ |28 ウェイン・エンブリー |コーチ:ビル・ラッセル
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