王・貴族との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 08:41 UTC 版)
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーは愚者の役割について、以下のように述べている。 王家では古くは愚者を雇い、中世には宮廷道化師を召抱えていました。ルネサンス期には英国の貴族たちは自由な振る舞いを認めた道化師を召抱えていました。彼らは他の召使いと同様の服装なこともありましたが、多くはまだら模様のコートとロバの耳がついたフードか道化の帽子と鈴を身につけていました。ペットかマスコットのように扱われ、主人を楽しませるためだけでなく批判をするために仕えていました。エリザベス1世は彼女の道化師に対し、あまりにも(主人に対する批判が)厳しすぎると叱責したそうです。しかしながら行き過ぎた行動は鞭打ちにつながるかもしれません、リア王が道化師を脅したときのように。 愚者は2つのタイプに分けることが出来る。先天的なものと自由な言動を認められたものである。両者はともにその振る舞いを許されていたが、前者は愚かしくまたは狂っているように見えるので「どうしようもない」という理由からその言動を許されていた。後者は取り決めによってその言動を許されていた。 愚者であることは王家や貴族の間では特権の一つとして認められていました。その愚かさは狂人のたわごととみなされることもありましたが、多くの場合は神聖なものに触発された結果とみなされました。「自然な」愚者は神に触れられたのです。ゴネリルの不快感の多くは、リア王が好き勝手にさせた愚者が特権的地位を享受していることにあります。彼の特徴的な言葉は人工的なものではなく「自然な」愚者であることを示していますが、その洞察力やウィットから見えるものは馬鹿とは程遠い人物です、やはり「触れられた」存在なのでしょう。 デビッド・カーライオンは怪しげな伝承から生まれた「大胆不敵で政治的な道化師」に疑問を投げかけている。カーライオンは、”大衆文化がピエロに対して持つ感傷的なイメージを、作家が道化師で再生産しているのである。学術分野ではトリックスターが同様で、分析としてあやまっている”、と自らの説を結んでいる。 道化師は誰もが伝えたくないような悪い知らせを王に伝えることができた。最良の例としては、1340年にフランス艦隊がスロイスの海戦でイングランドに敗れた際の逸話がある。フィリップ6世の道化師は「イングランドの船乗りは勇敢なフランス人のように海に飛び込む勇気は持ち合わせていないでしょう」と語った。
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