狩猟と飼育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 22:30 UTC 版)
スズメは鳥獣保護法で狩猟鳥に指定されており、焼き鳥等に食用もされてきた。特に京都の伏見稲荷大社では門前の名物になっている。しかし、現在は需要の低下、狩猟者の高齢化およびスズメの個体数減少により捕獲されるスズメの数は減ってきている。一時、中国、韓国から食用のスズメが日本に輸入されていたが、鳥インフルエンザ対策のために現在ではほとんど輸入されていない。日本での狩猟期間は11月15日から2月15日の間とされ銃や罠を使用しない方法であれば誰でも捕獲できる。。 スズメの捕獲法はいくつかあるが、古くはねぐらになっている藪の周囲に大型の網(袋網という)を張り、勢子とよばれる役割のものが、音を立てたり藪を棒などで叩いて網に追い込む猟法も行われていた。この猟法は大量捕獲が可能なので地獄網とも呼ばれる。現在ではこのような猟法は禁止されており、スズメの捕獲は、スズメが集まるところに網を立てておいてスズメが来たら網を倒して採るむそう網という方法で行われている。 4月前後には巣立ちに失敗したり弱ったりした幼鳥が人間に保護されることも多く、保護ボランティアが募集される自治体もある。日本野鳥の会などでは、弱ったりしていない場合は安易に保護せず2-3時間ほど、その場所で親が来ないか離れて観察するように指導しており、衰弱している場合や親鳥が現れない場合は保護して専門家に預けるようにとしている。 古くから身近な鳥なのに他の鳥のようにペット化されない理由としては、飛翔力が強くカゴ内で激突して傷付き易いことや、餌を大量に食べるので糞も他の飼い鳥と比べ量が多いこと、砂浴び好きな習性のためカゴ内で餌や新聞紙に身体を激しくこすりつけ周囲に大量の餌や糞を跳ね飛ばすことが挙げられる。一方で平安時代の枕草子にも源氏物語にも雀の子飼いについて記述があり、江戸時代の俳人小林一茶の一連の俳句作品からも、雀を子飼いした形跡が伺えることから、古くからしばしば飼われていたことがあるのも確かで、いつも人の傍に寄り添っていてあまりに身近過ぎ、珍奇性に乏しかったからとも考えられる。 なお、飼ったことのある人の証言では、非常に人懐こく賢いことがしばしば言及され、清少納言も心ときめきするものとして他のどれより文頭に「雀の子飼ひ」を挙げているほどである。個体によっては人語を学習して、単語を話す事例も確認されている。 芸に使われることのある鳥の種類として、タカ、スズメ、ジュウシマツ、ヤマガラ、シジュウカラを挙げている資料があり、同資料においてこの中でスズメはもっとも利口だが飼育が困難、ヤマガラの方が飼育に適し、また調教が楽なので非常に流行ったとの記述がある。
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