特殊な号や銘を持つ作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 23:48 UTC 版)
群千鳥(むらちどり) 短刀〈銘 村正/(号 群千鳥)〉、山形県鶴岡市致道館蔵。重要刀剣。号の「群千鳥(むらちどり)」は、美しい皆焼(ひたつら)の刃文が、千鳥が群れを為して飛ぶ様に見えることから付けられたもの。 千代万年(せんだいまんねん、ちよよろずとせ) 短刀〈銘 村正/千代万年〉、山形県鶴岡市致道館蔵。重要刀剣。村正にしては珍しく焼き刃が高く、白眉と言われる逸品。 空也(くうや) 脇差〈銘 村正/銀象嵌銘 空也〉、一尺三寸二分。裏の銀象嵌銘の「空也(くうや)」とは、二代兼定「人間無骨」(森長可愛槍)と同じく、人の骨肉など、この村正の前では実体もなく空(くう)に等しい、と、所持者が斬味を礼賛したもの。押形『三重県刀工・金工銘鑑』所載。 夢告(むこく) 短刀〈銘 村正/金短冊銘 夢告〉、八寸一分五厘、個人蔵。重要刀剣。村正には珍しく皆焼(ひたつら)の刃文。夢告(むこく)とは仏教用語で、夢の中に神仏が現れて直接的な指示を授かること。押形『三重県刀工・金工銘鑑』、モノクロ写真『伊勢の刀工』所載。 素盞鳥命(すさのおのみこと) 短刀〈銘 村正/〉、九寸九分九厘、内藤一秋(愛知県幸田町)蔵。刀身裏に三鈷剣の鉾旗、その中に「素盞鳥命」と掘る。素盞鳥命は、天照大神の弟の素盞嗚命の異字。ここでは、スサノオそのものというよりも、特にスサノオと同一視される牛頭天王に祈願したものである(祇園信仰)。押形『三重県刀工・金工銘鑑』所載。 梵天(ぼんてん) 刀〈銘 勢州桑名住村正作/銀象嵌銘 梵天〉、立波日郎蔵。梵天信仰による作刀。モノクロ写真『伊勢の刀工』所載。 百書千祈日仁(ひゃくしょせんきにちじん) 刀〈無銘(村正)/銘 百書千祈日仁〉、堀九市蔵。日蓮宗高僧の日仁と関係があるかは不明。モノクロ写真『伊勢の刀工』所載。 八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ) 短刀〈銘 村正/〉、坂田義則蔵。表に梵字・蓮華・鍬形・素剣、裏に梵字・蓮華・鍬形・「八幡大菩薩」字の彫。八幡信仰の剣。モノクロ写真『伊勢の刀工』所載。
※この「特殊な号や銘を持つ作」の解説は、「村正」の解説の一部です。
「特殊な号や銘を持つ作」を含む「村正」の記事については、「村正」の概要を参照ください。
- 特殊な号や銘を持つ作のページへのリンク