特別整備・廃車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 01:31 UTC 版)
「名鉄7500系電車」の記事における「特別整備・廃車」の解説
1988年からは、車体の老朽化が目立つようになった7500系について特別整備が開始された。この特別整備では、7000系と同様にこの整備では正面の行先板の電動幕への改造や側面方向幕の新設、妻面の戸袋窓の廃止などが行われた。内装も当時登場した5300系・5700系と同様のクリーム系の配色に変更された。 この特別整備は2両単位で行われたため、先頭車のモ7500が入場した際には残った車両が遊休化しないように、常設運転台を装備した中間車であるモ7566・モ7665を先頭にして運用された。この2両は1985年頃にはほとんど先頭に出ることがなくなっていたが、この特別整備が行われている間はほぼ定期的に先頭車として運用されていることを見ることができた。また、この特別整備の間に限り、7500系の4両編成での運用が行われている。 しかし、この特別整備は1次車と2次車の合計7本について整備が完了した1991年で打ち切られた。これは、当初は常設運転台を装備した中間車を組み込んだ7515編成を除く11編成に対して特別整備を施工する計画だったが、1990年10月の特急施策の変更に伴い、本線特急においては1編成の中で指定席車両と自由席車両を連結した編成が必要になり、7500系の機器を流用して1030系・1230系・1850系が製造されることになったことによるもので、3次車以降の5編成が常設運転台を装備した中間車を組み込んだ7515編成を皮切りに1992年から1993年にかけて廃車となり、機器の一部が新製された1030系・1230系・1850系に流用された(現在は流用された3系式も全て廃車となった)。残った車両については、その後座席のモケットを紫色系に変更し、あわせてカーテンの交換なども行われた。 その後、名鉄ではバリアフリー対策の一環で、各駅のホーム高さを順次レール面から1,070mmに嵩上げすることを決定した。これによって床面高さが990mmの7500系ではホームより車両の床の方が低くなり、乗降に危険が伴うと判断された。また、2005年1月29日には空港線が開業したが、空港線の各駅は当初よりホーム高さを1,070mmとしていたため、7500系は空港線への乗り入れが不可能となった。こうした事情から、7500系は全廃が決定し、2004年12月から廃車が開始された。 7500系はさよなら運転を行わず、2005年8月7日を最後に運用から離脱し、同年9月までに全車両が廃車された。7500系の全廃後、他線区においてもホーム高さの嵩上げが実施された。7000系とは異なり、廃車後は全車両解体されており保存されなかった。
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