物理学の計算可能性とは? わかりやすく解説

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物理学の計算可能性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 16:14 UTC 版)

シミュレーション仮説」の記事における「物理学の計算可能性」の解説

我々がシミュレーテッドリアリティ中にいるという主張への決定的な反論は、計算不能な物理学現象発見であろう。なぜならそのような現象発見されれば、コンピュータできないこと現実起きていて、コンピュータシミュレーションではそれを再現できないことになるからである。 シミュレーションリアルタイム実行できない程に負荷が高いため、実空間から見て処理が間に合わないという反論考えられる。しかし、シミュレーション内の時間実空間時間対応しなくても、シミュレーションからすれば問題生じないため、この反論的外れである。むしろ、シミュレーション中断しないために、無限の計算ステップ有限時間内に実行可能かという点が重要な論点となる。 しかし、チューリングマシン(TM)などでモデル化される一般的計算システム有限個の状態を取ることしかできないTM内部状態をテープ内容と結びつけて可能な状態数増やしたとしても、TMがとりうる状態数枚挙可能な無限になるだけである。さらにTM枚挙可能な状態遷移かしない。同じことは科学的モデリング使われるあらゆる計算機にも当てはまる。従って、通常の計算説明では、数学全般や自然をマッピングできるだけ十分な状態数状態遷移数を持たない。従って厳密に数学的な観点からは、あらゆるものをコンピュータ内で表せるという考え方支持できない。 これらの主張は、チューリングマシンよりも強力とされる仮説的なハイパーコンピュータ上でシミュレーションには当てはまらない。しかし、シミュレーション行っているコンピュータが、シミュレートされている世界にあるコンピュータ上の能力持っているかどうかを知る方法が全く存在しないシミュレーションの中と外で同じ物理学法則成り立つ必要はないので、シミュレーション外部では違う物理法則にしたがってコンピュータがより強力であるかもしれないCosmology Machine恒星ガス未知ダークマターについての多数観測結果からデータをとり、超高速計算することで、銀河太陽系成り立ちを探る。宇宙進化に関する様々な理論シミュレートすることで、どの理論現実宇宙をもっともうまく説明できるかを調べる。 問題は、宇宙コンピュータによるシミュレーションでないことを示す証拠存在しない点であり、そのためカール・ポパーのような見方採用すればシミュレーション仮説反証可能性がないため、科学的に受け入れられないということになる。

※この「物理学の計算可能性」の解説は、「シミュレーション仮説」の解説の一部です。
「物理学の計算可能性」を含む「シミュレーション仮説」の記事については、「シミュレーション仮説」の概要を参照ください。

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