物理学の拡張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 02:28 UTC 版)
「デイヴィッド・チャーマーズ」の記事における「物理学の拡張」の解説
詳細は「自然主義的二元論」を参照 サンデータイムズ誌では「今年の最もすぐれていた科学書のひとつ」として"The Conscious Mind"(1995)を挙げている。"The Conscious Mind"は物理学者の林一によって日本語に翻訳されている。(「意識する心」(2001))この本のなかでチャーマーズは、意識に関する全ての物事を"現在の物理学"の範囲内の現象として説明してしまおうとする還元主義的な方法は、うまくいかない、と力説している。これは別に生気論や神秘主義といった系統の主張ではなく、現代の物理学は拡張されるべきだと主張しているのである。 つまり、マクスウェルがニュートン力学へ電荷と一揃いの方程式を加えて当時の物理学を拡張することで電気現象の説明に成功したように、内面的な心的体験(クオリアと呼ばれる)を、ひとつの実体(entity)として導入し、その振る舞いを記述する新しい法則を見つけることで意識の問題を解決すべきだとする。つまり意識体験を、質量やエネルギー、電荷、スピンなどと並ぶ、他の何かには還元されない、この世界の基礎的な性質(根本特性、Fundamental property)のひとつとして扱っていくべきだとする。そしてこの内面的な心的体験(クオリア)の振る舞いを記述する、探索すべき未知の自然法則のことを、チャーマーズは精神物理法則(Psychophysical law)と呼ぶ。
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