しおで (牛尾菜)








●わが国の各地をはじめ朝鮮半島にも分布しています。やや湿った林床や草地に生え、よく分枝して、巻ひげで他のものに絡みついて伸びます。葉は卵形で、5本の葉脈が目立ち、不規則に互生します。「やまがしゅう(山何首烏)」に似ていますが、茎に棘がありません。雌雄異株で、7月から8月ごろ、葉腋から散形花序をだして、淡い黄緑色の花を咲かせます。秋には液果が黒く熟します。4月から5月ごろの若芽は、「アスパラガス」に似た風味と食感があるそうです。また根茎および根は、牛尾菜(ぎゅうびさい)と呼ばれる漢方薬に用いられます。
●サルトリイバラ科シオデ属の落葉蔓性木本で、学名は Smilaxriparia var. ussuriensis。英名はありません。
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シオデ
(牛尾菜 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 05:18 UTC 版)

シオデ(牛尾菜[1][2]、学名: Smilax riparia A.DC.[3])はユリ科[4]またはサルトリイバラ科[3]の植物。山菜の1種であり、人気が高い[4]。地方によってはシデコ、ソデコ、ヒデコ、ショデとも呼ぶ[4][5]。近縁種に一回り小さいタチシオデ(立牛尾菜[2])があるが[4][5]、山菜採りには区別されていないことも多い[5]。
名称
アイヌ語のシュウオンテに由来するとされる。[6]
概要
日本(北海道から九州のほぼ[7])全国に分布する多年草[5]。海抜1000メートルまでの山地にみられる[5]。葉の根元から出る巻きひげで木に巻き付く。
成長すると蔓状に伸びるが、食用には若芽のうちに太くて長い部分を採る[4][8]。採取時期は初夏[4]。「和製アスパラガス」[8]、「野生のアスパラガス」[5]、「山アスパラガス」[2]とも称される。アスパラガス同様にマヨネーズ和えで食される[2][5][8]他、茹でてからおひたし、ゴマ和え、天ぷら、油炒めなどで食される[2][5]。
長野県で採れたシオデの新芽は皇室献上品にもされている[2]。
夏期には小さな緑色の花を咲かせる[4](雌雄異株)。果実は約1センチの液果で、秋に黒色に熟する。
民謡
シデコを採る際の仕事歌が民謡となっている地方がある。
- ヒデコ節
- 秋田県では、シオデがショデ、ヒデと訛り、秋田弁独特の「コ」が付いて「ヒデコ」と呼ばれる[8]。
- 元々は『草刈りひでこ』と呼ばれていた[9]。
- しょんでこ節、しょうんでこい節
- 山形県村山地方の民謡[10]。
出典
- ^ 細川博昭『江戸の植物図譜 ~花から知る江戸時代人の四季~』秀和システム、2021年、130頁。ISBN 978-4798063362。
- ^ a b c d e f 川原勝征『野草を食べる』南方新社、2005年、84-85頁。 ISBN 978-4861240485。
- ^ a b “シオデ”. 日光植物園. 東京大学. 2023年6月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g 菅原光二「里山や水辺の山菜」『釣り人のための山菜50きのこ50』つり人社、1998年、37頁。 ISBN 978-4885364082。
- ^ a b c d e f g h 水野仲彦「シオデ タチシオデ」『食べられる山野草』保育社、1995年、72頁。 ISBN 978-4586508723。
- ^ 牧野富太郎『牧野日本植物図鑑』(8版)北隆社、1950年、725頁。
- ^ “No.57:東北森林管理局”. www.rinya.maff.go.jp. 2025年8月2日閲覧。
- ^ a b c d 読売新聞秋田支局『民謡の里』無名舎、1979年、114頁。
- ^ 新秋田風土記刊行会編『新秋田風土記 秋田民謡の旅』創土社、1984年、412頁。 NCID BN12250088。
- ^ 浅野建二『日本民謡大事典』雄山閣出版、1983年、427頁。
関連項目
「牛尾菜」の例文・使い方・用例・文例
牛尾菜と同じ種類の言葉
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