潜水艦U96
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 02:35 UTC 版)
「U・ボート (映画)」の記事における「潜水艦U96」の解説
本作で主人公艦として扱われるUボートは一般に「U96」と称される。原作では「UA」と表記されているが、作者のブーフハイムが戦時中にそのU96に同乗取材していたことや、艦橋両舷に描かれた「笑うノコギリザメ」のマーキングが実在のU96のものと同一であることから、DVDの字幕などでも「U96」の表記が見られる様になった。 実在のU96は、第二次世界大戦期に最も多い659隻が建造されたVIIC型と呼ばれる中型Uボートの1隻である。1939年9月16日起工、1940年9月14日竣工し、本作の「艦長」のモデルとされるヴィレンブロック大尉が初代艦長を務めた。同艦長のもと1943年3月28日までに8回出撃し、28隻・199087tを撃沈破した。この功績により潜水戦隊司令へと栄転したヴィレンブロックが下艦した後も別の艦長の指揮のもと活動を続け、1943年3月に前線を退いて訓練艦となり、1945年2月に除籍となったあと、1945年3月30日にヴィルヘルムスハーフェンにてアメリカ軍の攻撃により沈没。連合軍の対潜戦術向上により作戦行動中に撃沈されたUボートが多い中、計11度もの作戦行動を生き延びた稀有な例である。 「U96」という明確なモデルは存在するものの、劇中に描かれる哨戒行動及び戦闘は概ねフィクションである。物語中に描かれる1941年秋頃には、実艦のU96もヴィレンブロック艦長のもとで哨戒任務を行っていたが、連合軍の対潜戦術の向上や船団護衛方針の転換によってか、戦果虚しく帰港している。また、登場人物の運命もモデルとなった人物のものとは少なからず異なっている。
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