源氏物語錦織絵巻、フランスへの寄贈
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「山口伊太郎」の記事における「源氏物語錦織絵巻、フランスへの寄贈」の解説
明治初頭、西陣の伝習生による渡仏、そして当時のフランスからの織物技術の導入。特に紋様織り出し装置である「ジャカード機」はその後の西陣の産業技術の発展に大きく寄与した。そのフランスによる技術伝承の恩に対する感謝の念、および、その果実としての作品の寄贈の意を1995年、来日中のフランス国立ギメ東洋美術館館長フランソワ・ジャリージュを通じ、当時のフランス文化大臣ジャック・トゥーボンに伝えた。ただちにこれは了承され、あらためて大臣により正式に作品の寄贈の要請が伝えられた。これによりギメ美術館における作品の収蔵が決定された。 当時既に完成していた「源氏物語錦織絵巻」2巻はフランス共和国に寄贈され、その後2002年に第3巻、2008年に最終第4巻を寄贈された。この収蔵の完了を記念して2009年11月よりギメ東洋美術館では、'Au fil du Dit du Genji - Hommage à Maître Yamaguchi'(源氏物語の糸を辿って-織匠山口伊太郎へのオマージュ)展が開催された。 なお、フランス共和国からはオフィシエ芸術文化勲章を受章している。 「源氏物語錦織絵巻」全巻は2セット製作されており、ひとつは先述のルーブル美術館東洋部門にあたるギメ東洋美術館、もうひとつは山口伊太郎の創業の帯屋「紫紘(しこう)」株式会社が所蔵している。本人は生前、「源氏物語錦織絵巻」全巻を五大陸に残し、天変地異に備え永く保存され、織物制作を志す後進の参考に資することを強く願っており、伊太郎の謦咳に接した者等によってその実現への努力は続けられている。 源氏物語錦織絵巻は「錦織による」もので、インターネットで一部「唐織による」とされるが誤りである。
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