源氏物語本文における登場人物の呼称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 05:21 UTC 版)
「源氏物語系図」の記事における「源氏物語本文における登場人物の呼称」の解説
数多くの源氏物語の登場人物の中で本名(と思われるもの)で記されるのは身分の低い光源氏の家来である藤原惟光と源良清(これらの人物も身分が高くなるに従って「中納言」・「近江守」などと官職で呼ばれるようになる。)や匂宮の乳兄弟で家来である時方くらい(玉鬘などを含める説もあり、東山文庫本の須磨巻にのみ現れる「経光」といったごく一部の伝本にのみ現れる人物もある。)である。 光源氏をはじめとしてほとんどの人物は作中では本名で呼ばれない。例を挙げると、頭中将・左大臣・右大臣、兵部卿宮などのようにその官職で呼ばれたり、六条院(光源氏)、桐壺更衣、六条御息所、弘徽殿女御などのように居住地などのゆかりのある場所の名前に由来する「呼び名」しか記されておらず、さらには「一の宮」(これは単に天皇の長男というだけの意味であり、全ての天皇にそれぞれの「一の宮」が存在しうる。)や「女二宮」、「女三宮」(それぞれ2番目・3番目の女宮の意味)あるいは「女君」や「小君」といった普通名詞しか使われていない人物も少なくない。 これにより、同じひとりの人物でも、立場や官職が変わると呼び方が変化する。巻によって、場合によっては一つの巻の中でも場面によって様々に異なる呼び方がされる。さまざまな場面で繰り返し登場する主要な登場人物で一つの呼び方しか無い人物はむしろほとんど無い。 また逆に、「左大臣」・「右大臣」・「弘徽殿女御」など、同じ単語でも話が進むにつれ、別の人物を指す事も多い。
※この「源氏物語本文における登場人物の呼称」の解説は、「源氏物語系図」の解説の一部です。
「源氏物語本文における登場人物の呼称」を含む「源氏物語系図」の記事については、「源氏物語系図」の概要を参照ください。
- 源氏物語本文における登場人物の呼称のページへのリンク