測地線方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 14:37 UTC 版)
「一般相対性理論の数学」の記事における「測地線方程式」の解説
詳細は「測地線」を参照 計量を得るために一旦アインシュタイン場の方程式が解かれたならば、慣性をもつ物体の時空内の運動を決定することが残された問題となる。一般相対性理論では、固有時間によりパラメータ表示される時間的または光的測地線に沿って慣性運動が発生することを仮定する。測地線は、測地線自身の接ベクトル U → {\displaystyle \scriptstyle {\vec {U}}} つまり ∇ U → U → = 0 {\displaystyle \scriptstyle \nabla _{\vec {U}}{\vec {U}}\;=\;0} に沿って平行移動する曲線である。この条件(測地線方程式(英語版)、英: geodesic equation)は、接ベクトル U a = d x a / d τ {\displaystyle \scriptstyle U^{a}={dx^{a}}/{d\tau }} を持つ座標系を用いて書くことができる。 x ¨ a + Γ a b c x ˙ b x ˙ c = 0 {\displaystyle {\ddot {x}}^{a}+{\Gamma ^{a}}_{bc}\,{\dot {x}}^{b}\,{\dot {x}}^{c}=0} ここに ·x は x の 曲線に沿った固有時間 τ による微分 dx/dτ を表す。この等式によりクリストッフェル記号の意義が明確となる。 一般相対性理論の主たる特徴は、粒子の経路や重力場の輻射を決定することにある。これは測地線方程式を解く(英語版)(solving the geodesic equations) ことにより達成される。 アインシュタイン場の方程式は、全物質(エネルギー)の分布と時空の曲率と関連付ける。その非線型性により、結果として現れる時空の中の物質の正確な運動を決定するときに問題が起こる。例えば、恒星の周りを回る惑星から成る系において、惑星の運動は惑星と恒星の運動の和であるエネルギー・運動量テンソルについての場の方程式を解くことにより決定される。惑星の重力場は全体の時空の幾何学に影響を与える、従って、対象の運動に影響を与えることになる。それ故、場の方程式は測地線を導出することに使うことができるという主張は合理的である。 系のエネルギー・運動量テンソルが完全流体であるとき、エネルギー運動量テンソルの局所保存法則を使うことで、測地線の運動方程式が完全に満たされることを示すことができる。
※この「測地線方程式」の解説は、「一般相対性理論の数学」の解説の一部です。
「測地線方程式」を含む「一般相対性理論の数学」の記事については、「一般相対性理論の数学」の概要を参照ください。
- 測地線方程式のページへのリンク