液体変速機・減速機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:51 UTC 版)
「国鉄キハ40系気動車 (2代)」の記事における「液体変速機・減速機」の解説
変速・直結各1段のDW10形を装備する。これはキハ65形・キハ66系に搭載されたDW9形をベースにとしたもので、液体変速機の構成は在来標準形のDF115・TC-2形(3段6要素)に対して、DW4形・DW9形やDE10形用のDW6形(2000番台)などと同じ中高速での引張力を確保するとともに、エネルギー損失を抑制した1段3要素となり、クラッチはいずれも湿式多板式で、変速、直結が各3枚、逆転機が8枚の構成となっている。なお、変速と直結の切替は変速機の入力軸と出力軸の回転差を検出して機関の吹き上げ、アイドル指令を出し、最適な回転数で切り替える半自動式とすることでショックのない変速としたほか、変速機の特性の異なる手動変速の在来形気動車との併結に対応している。 変速機油冷却は従来の空冷式から油冷却器による水冷式に変更となっている。また、逆転機を台車に装架するのが困難な2軸駆動車用のDW9の構造を踏襲して逆転機を変速機内に内蔵し、台車側には推進軸の方向転換と最終減速段を受け持つ減速機を装架している。なお減速比は2.995と従来の一般形気動車よりもわずかに大きくされている。 液体変速機の構成の違いにより、起動時の動輪周引張力はキハ20系(定格出力180 PSのDMH17C形機関搭載車。変速機としてDF115A形ないしはTC2A形を搭載)の2,500 kg弱に対して2,400 kg弱と低く、車両重量の増大と相まって「キハ40系=低出力」のイメージを強める一因となっている。一方で、例えば10 km/hではキハ20系の約1,800 kgに対し約2,100 kg、50 km/hでは約600 kgに対し約800 kgと逆転しており、当初特急・急行形用として開発された変速機の中高速域を重視した特性が表れている。駆動方式は1軸駆動で車両内側よりの第2軸を駆動しており、台車にキハ65形・キハ66系の第2減速機と共通 のGB122形減速機が装架されている。 GB122形減速機(推進軸側) GB122形減速機(減速機支え装置取り付け側)
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