消防用設備の設置状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
「千日デパート火災」の記事における「消防用設備の設置状況」の解説
千日デパートビルの消防用設備(消火器、消火栓、火災報知機、火報押しボタン、熱式感知器、スプリンクラー、避難器具、放送スピーカー)の設置状況は、以下のとおりである(表中の「-」は設置なしを表す。また「消火栓」括弧内の数値は消防隊専用栓の数を表す。塔屋2階および3階は省略)。 千日デパートの消防用設備設置状況(塔屋2階と塔屋3階を除く)フロア消火器消火栓火災報知機火報押しボタン熱式感知器スプリンクラー避難器具放送スピーカー屋上(塔屋1階)9 1(1) - - 5 - 救助袋1 - 7階13 3(2) - 3 8 - 救助袋1 (15) 6階5 5(3) - 3 17 あり 救助袋2 2 5階13 3(2) - 3 3 - 救助袋1 2 4階18 6(3) - 4 - - 救助袋2 4 3階24 7(4) - 4 - - 救助袋、縄はしご各1 4 2階23 6(3) - 4 - - 縄はしご1 5 1階23 6(3) 1 4 1 あり - 6 地下1階38 7(4) 1 4 18 あり - 3 スプリンクラー(散水器)の設置については、基本的にビル全体には設置されていなかったが、一部に例外があり、地下1階と1階のF階段周辺、6階旧千日劇場跡の舞台、楽屋、映写室には設置されていた。これは1958年(昭和33年)のデパートビル改築の際に、当時の大阪府消防法施行条例の基準に従って設置されたものである。また地下1階と1階のF階段出入口周辺に設置されていることについては、右階の階段室に防火区画がないことに対する予防的措置による。 避難器具のうちの「救助袋」に関しては、「旧歌舞伎座ビル」時代の1952年(昭和27年)に4階から屋上までの各階に1か所ずつ、移動斜降式救助袋が計5基設置された。その後、1962年(昭和37年)3月15日に3階、4階、6階に各1基ずつ計3基が増設され、ビル全体では合計8基の設置となった。1963年8月17日に4階から屋上の間に設置されていた従来の移動斜降式救助袋は、固定金具を取り付けて「固定式」へと改修された。 避難口誘導灯、通路誘導灯、誘導標識については、全館各階フロアの必要な個所に設置されていた。 火災報知器(警報ベル)は、地下1階電気室の主受信機に1台、1階デパート保安室の副受信機に1台が設置されていた。全館に鳴動する火災報知器の設置はなかった。1階保安室と地下1階電気室に設置された火災報知機を鳴動させるための「火報押しボタン」は、屋上および塔屋を除き、各階に3個から4個設置されていた。 非常放送用の防災アンプは、1階保安室に設置されていた。しかしながら7階プレイタウンだけはビル全体の非常放送システムの対象から外されており、もし全館一斉の非常放送があったとしてもプレイタウンでは聞くことができない状態だった。また、そのシステムの一部は工事中だった。 表中のプレイタウン「放送スピーカー(15)」というのは、プレイタウン店内限定の放送設備である。 消防隊送水口と採水口が1階にそれぞれ3ずつ備わっていた。
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