注意を要する集団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 05:30 UTC 版)
睡眠衛生は、不眠に対する認知行動療法(CBT-I)の中核要素である(「不眠症#認知行動療法」も参照)。これら推奨事項によって不眠症状を減少・削減させられる。いくつかの睡眠障害ではこれに加えて別の治療方法が必要であり、入眠困難が続く者には医療者より追加の支援が必要とされる。 学生たちは睡眠衛生の質が低く、また睡眠不足の影響について無知であることが多い。彼らは週間スケジュールや学校環境が不安定であり、週の起床ー就寝パターンはバラバラで、昼寝をとり、就寝前にカフェインやエタノールを摂取し、睡眠不足となる環境にいる。このため、学校において睡眠衛生教育を行うことが重要である。 シフト勤務者は夜勤や変則時間帯で働くため、健康的な起床ー就寝パターンを作るのが困難である。そのため彼らは、昼寝、カフェイン飲料などの摂取については戦略的に行い、労働生産性や安全性が確保できるよう慎重になるべきである。彼らは他の人たちの活動時に就寝するため、外部要素によって睡眠を邪魔されないよう工夫が必要である。電話をオフにする、寝室ドアに起こさぬよう張り紙を張るなど。 大うつ病患者は、気分やエネルギーが低いため、日中の昼寝、就寝前の飲酒、日中の大量のカフェイン摂取などといった、良質な睡眠衛生とは逆の行動パターンを取っていることが多い。大うつ病の治療には、睡眠衛生教育に加えて光療法も有用となりえる。朝の光療法は、よりよい起床ー就寝スケジュールを形成するだけにとどまらず、うつ病の治療に直接的な効果がある(とりわけ季節性情動障害)。 喘息やアレルギーによって呼吸に困難がある患者は、睡眠衛生の推奨事項の一部について、実施が困難であるかもしれない。呼吸困難は、睡眠不足、入眠や安らいだ睡眠を困難にさせうる。アレルギーや喘息がある患者は、寝室にそれらを発生させる要因がないか注意を払う必要がある。睡眠中に呼吸能力を改善しうる薬物は、一方で他の方法で睡眠を損なう可能性があるため、充血除去薬、喘息薬、抗ヒスタミン剤などには注意を払う必要がある。
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