法の思想と改革
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 04:38 UTC 版)
「フランシス・ベーコン (哲学者)」の記事における「法の思想と改革」の解説
1612年、『随筆集』(後述)のエッセイで「司法について」を書き加え、法についての思想と改革の提案を記している。裁判官について詳しく解説し役割は法の解釈であって立法では無いとの言葉から始まり、裁判官には慎重さと正直さが求められ、公平な判断も持ち、証言を辛抱強く聞き取り、法廷に腐敗を持ち込まないなどの注意を与えている。法廷に争いを持ち込む人間も取り上げ、結びに司法と国家の関係の重要性に触れ、裁判官は王権を擁護することにあり、法の適用の大切さを強調している。 法改革に熱心でそれを実現しようと構想、法務長官就任から翌年の1614年に法改革の覚書をジェームズ1世へ提出、法改革を国王の名誉だと強調しコモン・ローの整理・編集を提案、情報収集と整理が不可欠だと進言した。1616年にこの論理を発展させた『イングランドの法の編集と改正についての提言』を改めてジェームズ1世に書き送り、イングランド法の問題提起で改革を訴え、コモン・ローの全体・実質は残しつつそこから無効な部分を取り除くことを剪定と接木になぞらえ、自ら主張した整理方法論・帰納法を法の改革に活用することを考えた。またこれに関係して、コモン・ローの執行を助け、法の理解を浸透させるための手段として提要と用語事典の必要を述べ、法令集・法規定集・法律用語集、特に法規定集の構想を挙げて自分が完成させることを熱望した。ここまで法改革を訴えたベーコンだったが、仕事が多忙のため中断、改革は実現されなかった。
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