法の成立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/21 14:08 UTC 版)
糖蜜法は1763年に失効することになっていた。税関の監督官たちは終戦とカナダを獲得した結果として糖蜜とラム酒の需要が大きく拡大することを予測し、需要が増加するのであれば、税率を大幅に下げ、徴収するのに妥当なレートに落ち着かせたいと考えた。1764年、新しい砂糖法が議会で可決されると、糖蜜にかかる税率は半分になった。その法の文面は厳密に執行することに加えて、立法の目的が単純に貿易を規制することではなくて(糖蜜法はイギリス以外の供給者に対する合法の貿易を閉ざそうとしていた)、歳入を上げることだとしていた。 新しい法は具体的な商品を挙げており、中でも重要なのは木材であって、イギリスにのみ輸出が可能となっていた。商船の船長には、積荷の詳細目録を準備し、積荷を降ろす前に目録を提出、照査を受けることを求められていた。税関役人には、あらゆる違反者を、商務的な密貿易に甘い裁定をしがちな現地の陪審員裁判ではなく、副海事裁判所にゆだねる権限を与えられた。 歴史家のフレッド・アンダーソンは、この法の目的が「戦後の帝国を襲った財力と支配力の問題を解決するため」だったと記した。このために「3種類の手段」が講じられた。すなわち、「税関の強制力をより効果のあるものにすること、アメリカで大いに消費される物品に新しい税を課すること、および歳入を最大化する方向に既存の課税率を調整すること」だった。
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