水文学的特徴とは? わかりやすく解説

水文学的特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 01:48 UTC 版)

黄河」の記事における「水文学的特徴」の解説

黄河上流部黄土ただなか流れるが、この黄土シルトであり、粒子が細かいため浸食されやすい。そのため、黄河には膨大な土砂流れ込み黄河という名称のもととなった黄河の水文学的特徴として、少なく砂が多い、と砂の分布不均等下流域天井川川床岸辺より高くなっている)で洪水災害頻繁に起こるという点がある。土砂に関して年間16トンにのぼり、世界一土砂含有量を持つ。この土砂量は第2位ガンジス川(年14.5億トン)と肩を並べ第3位アマゾン川年間9億トンに過ぎないことからしても、ほかの河川からは冠絶している。しかも、黄河年間水量468億m3に過ぎず、これはガンジス川(3,710億m3)の8分の1であり、土砂含有率においては世界でもっとも高い大河川である。 このため黄河においては一石に泥六斗(「一石六斗」)」と呼ばれるほど多く土砂含まれており、流量少なさ土砂そのもの多さによって下流部堆積し河道変遷要因となった。この土砂流域建設されダム群にも堆積し、特に黄河本流初め建設され大型ダムである三門峡ダムにおいては、この問題深刻なものとなった1960年完成急速にダム湖土砂沈殿し1年ほどで潼関にいたる広大な地域土砂堆積して関中盆地主要部洪水の危機さらされたため、2度改修によって土砂排出機能の改善余儀なくされたのであるこうした堆積土砂黄河の全ダム共通しており、洪水抑制機能がかなり減衰した状態となっている。小浪底ダムにおいては堆積土砂押し流すための放水がたびたび行われている。黄河のこの濁り恒常的なものであり、あてのないことをただひたすら待ち続ける「百年河清を俟つ」という故事成語があるほどである。562年には黄河済水がともに澄んだため、当時北斉王朝年号を「河清」へと変更した黄河土砂蓄積は現在も進行中であり、水量低下によって土砂運搬能力が非常に落ちたためにむしろ加速する傾向がある。黄河下流域においては大規模な堤防堤内において水路周辺に再び土砂蓄積して天井川化し天井川中に天井川存在するといった状態にまでなっている。こうした土砂流出および蓄積を防ぐためにさまざまな対策取られている。土砂流出のもっとも大き黄土高原においては耕作地植林し森林造成し土砂流出を抑制するいわゆる退耕還林政策が行われている。また、上記の小浪底ダムの大放水ダム堆積土砂のほか、三門峡ダム家寨ダムとも連携して放水することによって下流河道堆積した土砂一気押し流すことも意図している。

※この「水文学的特徴」の解説は、「黄河」の解説の一部です。
「水文学的特徴」を含む「黄河」の記事については、「黄河」の概要を参照ください。

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