死後は天国と地獄だけ?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 00:13 UTC 版)
「セカンドチャンス (キリスト教)」の記事における「死後は天国と地獄だけ?」の解説
西洋では今日も、よみと地獄を同一視する傾向が強く、人が死後行く場所は「天国か地獄だけ」という理解が一般的である。その「地獄」ではもはや福音を聞く機会も回心の機会もないとして、セカンドチャンスを否定する人は、そうした国ではとくに多い。 米国の牧師コリン・スミスは、「ペテロの手紙のこの聖句は、イエスが地獄(hell)へ行き旧約時代の人々に福音宣教をしたという意味に解釈する人もいる。だがもしそのような死後の機会があるというなら、世界中の宣教師の少なくとも半分は母国の家に帰ってもらったほうがよいだろう。命がけの宣教に意味がなくなるからだ」と書いている。 韓国のチョー・ヨンギ(趙 鏞基)牧師(ヨイド純福音教会創立者)も、人の死後は天国か地獄だけとし、信者からの質問「立派な人だったけれどもイエスの福音を聞いた事がなく、救いを知らずに死んでしまった人は、救われるのでしょうか?」に、「イエス様を信じなかった人は救われません」と答えている。 英国でも、古来「よみ」と地獄が同一視され、「よみ」(ハデス)を「地獄」(hell)と訳した英欽定訳聖書(1611年)が出版されるなか、ウエストミンスター信仰告白(1646年)が生まれた。安黒 務は、ウエストミンスター信仰告白に「義人の霊魂は・・・天に受け入れられる。・・・悪人の霊魂は地獄に投げ込まれ、大いなるさばきまで閉じ込められ、そこで苦悩と徹底的暗黒のうちにあり続ける。聖書は、からだを離れた霊魂に対して、これらの二つの場所以外には何も認めていない」と書かれていることを理由に、セミナーでセカンドチャンスを否定している。 一方、新改訳聖書(日本聖書刊行会)の訳者は、「天国」のほかに「よみ」と「地獄」が別々の場所として存在するとし、新改訳聖書の「あとがき」にこう記している。「新約聖書でハデス(よみ)、ゲヘナ(地獄)と訳出されているのは、それぞれ、『死者が終末のさばきを待つ間の中間状態で置かれる所』『神の究極のさばきにより、罪人が入れられる苦しみの場所』をさす」
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