楽曲制作方法・レコーディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:07 UTC 版)
「サザンオールスターズ」の記事における「楽曲制作方法・レコーディング」の解説
桑田はメロディやサウンドを鳴らしたいという動機で作曲や演奏を始めたため、主に楽曲を曲先で制作している。初期の頃は歌詞については「意味はどうでもいい」と捉え「料理でいうお皿のようなもの」という感覚だったと述べている。しかしファンの反応や、サポートミュージシャンを務めた小林武史や小倉博和といった桑田が言うには「詞の事をとても気にする人達」の影響で洗練されたものが多くなっていった。1990年代からは仏教用語や熟語が少しずつ登場するようになった。1980年代には全英語詞曲も制作されたが、2010年代からは英語を意識的に減らしていくようになり日本語を重視して書かれることが多くなった。近年(2021年時点)の代表作は「できる限り平易な言葉を選び、素直でより多くの人々の心に響く歌詞、寄り添い共に歩いていくようなテンポ感による、やさしさと力強さに溢れた作風」と評される。 桑田は作詞をする際に入念な下調べを行っており、さまざまな情報を隅々までチェック・インプットし、それが楽曲のアイディアに繋がっていると野沢は述べており、「週刊誌なんかは、ぜんぶ読んでるんじゃないか」といった推測もしている。歌詞はほとんど想像で書くこともあれば、楽曲のテーマに関係する人物あるいはそれに詳しい周囲の人物やスタッフへの取材をもとに書くこともある。歌詞の中で桑田自身とは異なる歌手像やペルソナが設定されていることも多い。桑田が制作した楽曲の歌詞には先述の意味を重要視しないなどの理由からメロディや符割りを優先するために文法として正しくないものや、勘違いして書いた歌詞がそのまま使われたりすることもあり、スタッフが訂正を促すこともあるが、歌いやすさなどを理由とした桑田の意向で大抵はそのまま残されている。 サザンの大半の楽曲のレコーディング形式は先行して桑田が曲やポイントとなる言葉の一部分を作り、スタジオでメンバー・サポートミュージシャン・スタッフ・エンジニアなどにそれを伝え、全員でアイディアを出し合いながらイメージを膨らませて仮歌やオケを録音する。それと並行して桑田が作詞に取り掛かり、一通り作詞をして歌入れを始める。これ以降アレンジなどの細部の修正を繰り返して楽曲が完成するというものである。サザンのレコーディングは主にビクタースタジオの「401スタジオ」で行われる。1992年ごろからは、ビクタースタジオとは別に桑田の自宅に「猫に小判スタジオ」も作られており、そこにメンバーが集まって楽曲を制作することもある。機材については、マイクはU-47、コンプレッサーはGML8900、イコライザーもGML製を使用する。 「曲によって異なったニュアンスを出すため」という理由で桑田が担当メンバーに代わってベースなどを演奏したり、関口が考案したベースのフレーズをミュージックシーケンサーで打ち込みする手法をとることもある。 近年はライブなどで演奏することを想定して制作することが多くなった。過去の作品には制作したものの、作り込み過ぎたがゆえにライブで再現ができなかった楽曲が何曲も存在すると桑田は述べている。 サザンの楽曲は大半を桑田が制作・歌唱しているが、原・関口・松田・大森も一部の楽曲を制作・歌唱している。メンバー全員で制作した曲やメンバー同士で共作した曲も存在している。
※この「楽曲制作方法・レコーディング」の解説は、「サザンオールスターズ」の解説の一部です。
「楽曲制作方法・レコーディング」を含む「サザンオールスターズ」の記事については、「サザンオールスターズ」の概要を参照ください。
- 楽曲制作方法・レコーディングのページへのリンク