栄養素の外用・内服
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 09:38 UTC 版)
ビタミンAの誘導体であるレチノイドが医薬品として承認されている。 アダパレン(前述) 海外では、ざ瘡治療の主流となっている内服のトレチノイン、イソトレチノインは、日本では未承認医薬品であり副作用、特に催奇性が注意喚起されている。内服のイソトレチノインの胎児危険度分類は、最も危険なカテゴリーXとされている。米国におけるざ瘡治療薬のシェアは、イソトレチノインが65.2%、ドロスピレノンが9.4%、ミノサイクリン(主に1mg/kg徐放剤)が7.0%、ドキシサイクリンが2.1%、などとなっている。 ビタミンC誘導体について日本の2017年のガイドラインは、有効性を支持する報告はあるが保険適用外なため、治療の選択肢のひとつとし、そのほかA、Bなどは外用の試験報告はないとしている。1998年以降、アスコルビン酸リン酸ナトリウム(リン酸ビタミンC)といったビタミンC誘導体、レチノイド(ビタミンA誘導体)、リン酸ビタミンEのようなビタミンE誘導体といった、皮膚に吸収されやすいビタミン外用薬を塗布することで、ニキビや炎症後の色素沈着の改善が国内外で継続的に報告されている。2017年のレビューではナイアシンアミド(ビタミンB3)の外用で抗生物質と同等の効果があるという試験が複数あった。(それぞれの詳細はそれぞれの記事を参照) 内服薬では、皮膚の新陳代謝を促すビタミンB2、皮膚の抵抗力を高めるビタミンB6の他、色素沈着などを防ぐためにビタミンCが使用されることがある。 漢方薬の、十味敗毒湯、荊芥連翹湯、清上防風湯を選択肢のひとつとしてもよく、後ろ2つは適応もある。 紅茶エキスによる治療効果も報告されている(後述)。抗酸化による研究はあまり行われてきておらず、2013年にランダム化比較試験が報告され、マリアアザミの抗酸化物質としての成分シリマリン(主な活性成分シリビニンを含む)、細胞内の抗酸化作用を持つグルタチオンの合成に関わるN-アセチルシステイン、抗酸化作用のある必須ミネラルのセレンは、それぞれ偽薬に比較して8週間で病変数を半減させ(この点でセレンは若干効果が弱く半減とまではいかない)、血中のグルタチオン濃度など酸化ストレスマーカーにも変化があった。
※この「栄養素の外用・内服」の解説は、「尋常性痤瘡」の解説の一部です。
「栄養素の外用・内服」を含む「尋常性痤瘡」の記事については、「尋常性痤瘡」の概要を参照ください。
- 栄養素の外用内服のページへのリンク